開発素句報 2020-05 影のやうに舟の出てゆく月見草

開発素句報 2020-05

 

◎葉書俳句

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開発素句報 2020-05

 

 

◎テキスト

千年の仏を守るどうすずし ハードエッジ

  梅雨つゆの頃なら、
  本堂に五月雨さみだれひびく仏かな ハードエッジ

  仏とお堂の四季:
  大仏だいぶつかすまぬやうに御堂みどうかな 正岡子規

  本堂のみ仏のひなよい 山口誓子   せいし

  「本堂のみ」ではなく、「本堂の」「御仏みほとけ」 (^_^;;;

  絶対の秘仏ひぶつまつかびの堂 三村純也

  本堂の仏ともりし子規忌しききかな 大橋櫻坡子   おおはし

  一堂の中のみ仏十二月 高野素十    すじゅう

墨書ぼくしょ太々ふとぶと夏痩なつやせと言ふ便たより ハードエッジ

  墨書の秀句:
  霹靂へきれきと墨書して四肢ししおとろふる 塚本邦雄

  墨書短信神在かみあり出雲いずもより 小澤實おざわ みのる

  太々の名句:
  太箸ふとばしのただ太々とありぬべし 高濱虚子たかはま きょし

古酒こしゅの色でつ今年の梅酒うめしゅく ハードエッジ

  本来、古酒は梅酒ではなく清酒の言葉(季語)です
  新酒名残なごりの古酒も無論むろん飲む ハードエッジ

の水着水の中より燃え上る ハードエッジ

  赤い水着の秀句:
  火の色の水着を見せる約束も 櫂未知子かい みちこ

髪洗ふ姫君月へ帰るべく ハードエッジ

  七夕の頃は、
  月にかえりたきひとあり七夕たなばた笹のれ 桂信子

金魚ゆらゆら母船を待つてゐるやうな ハードエッジ

  母船の帰るべきは、
  荒星あらぼし母港ぼこうに遠き船いくつ ハードエッジ

影のやうに舟の出てゆく月見草 ハードエッジ

  月見草の船の秀句:
  月見草夜発よだちの船のさみしさよ 中村汀女    ていじょ

 

 

◎推敲過程

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以上です