紅梅の紅の通へる幹ならん 高濱虚子
ソーダ水深きところを吸はれをる ハードエッジ
しぐるるや駅に西口東口 安住敦
俳人、葉書俳句「開発素句報」「全然堂歳時記」発行人。
紅梅の紅の通へる幹ならん 高濱虚子
ソーダ水深きところを吸はれをる ハードエッジ
しぐるるや駅に西口東口 安住敦
七十の母がかしづく雛かな 山田みづえ
あかつきや歩く音して籠の虫 岸本尚毅
風邪の面たはしの如くなりにけり 迷水
青き踏む左右の手左右の子にあたへ 加藤楸邨
山蟻や定家の捨てし歌の数 南うみを
川船のぎいとまがるやよし雀 高濱虚子
リボンして伴奏の子や卒業歌
去るものは追はず卒業式終る
忘れ得ぬことぞ悲しき卒業歌
苗札に大きくなれと書いてある
苗札の予告通りに芽吹きたる
苗札の影くつきりと良い天気
燃えて立つ鋼の足の花篝
また一つ消えて最後の花篝
花篝消えて夜明の石畳
春塵や木馬の金の目の卑し 中村和弘
金色の目玉動きぬ蟇 近藤英子
木偶の目の夜は金色に木枯吹く 桂信子