土色は白桃の非の打ちどころ
泣きながら賽の河原に桃を積む
桃の香の残る机に稿を継ぐ
俳人、葉書俳句「開発素句報」「全然堂歳時記」発行人。
土色は白桃の非の打ちどころ
泣きながら賽の河原に桃を積む
桃の香の残る机に稿を継ぐ
図書室は本の涼しさ夏休
二度寝して昼寝の贅を尽しけり
電車には都の生者盂蘭盆会
開発素句報 2024 全部入り
海山に伍してプールを開くなり
客船がプールを乗せて海を行く
洗ひ終へしプールの底で跳んでみる
片陰は天の賜お陰様
涼しくて笑ふが如しアッパッパ
さつちやんの遠くへゆきしバナナかな
涼しさに住んでもみたき土星の輪
一字にて足る一、十、百、千、万涼し
庭を掃くことも修行や僧涼し
鬱蒼と氏神様の蟬時雨
蟬のこゑ届かぬところまで泳ぐ
朝顔もはかなかりしが蟬の声
血の通ふ蝸牛の殻と聞かさるる
ガラス戸にブロック塀にかたつむり
踏み潰された蝸牛の母です「こんばんは」
角川俳句賞落選作抄
2016~2023、全24枚
、、、順次追加予定
全然堂 葉書俳句 2024 全部入り
全然堂歳時記、開発素句報、落選供養など
都度、追加していきます
今年はや娘十八むめの花
毛虫にも黒毛・栗毛の系図あり
日本のまことの青を初御空
磯遊び黒船を見し子らの裔
朝顔やその日その日を全力で
青竹の誉れ左義長仕る
全然堂歳時記 春 の葉書俳句
2018-2023、全29枚
、、、順次追加予定
全然堂歳時記 夏 の葉書俳句
2019-2024、全22枚
、、、順次追加予定
全然堂歳時記 秋 の葉書俳句
2017-2023、全14枚
、、、順次追加予定
全然堂歳時記 冬 の葉書俳句
2017-2023、全15枚
、、、順次追加予定
全然堂歳時記 年末の葉書俳句
全5枚/2023.12
、、、順次追加予定
全然堂歳時記 新年の葉書俳句
全7枚/2024.1
、、、順次追加予定
白も黄も蝶は小さし黒揚羽
かの人もわれの賀状を読むころか
着膨れて亀の如くに顔を上げ
アテンション・プリーズと咲く紅薔薇
ぐびぐびとどびろく呑んでくちぬぐふ
暁闇を配達の子にお年玉
風船に連れ去られたる長き紐
推敲の果ての巨大な雲の峰
虫偏に非ざる虫もすいつちよん
みほとけのふところふかく寝正月
見えてゐる机の裏や寝正月
「寒いね」の「ね」の優しさのね正月
春の海ウインナワルツお正月
エルビスは正月生れ松さわぐ
正月を遊び尽して目出度けれ
天照大神様初日の出
初日の出ただちに富士を荘厳す
選ばれし勇者のごとく初日浴ぶ
ゴゴゴゴと地軸は廻る去年今年
初春のわが身を思ふわが齢
初夢の中をふはふはしやぼん玉
枯葉いま枯葉色なり銀杏は黄
悉く核融合や冬の星
年用意カレーも買つて抜かりなく
賀状刷るその一日を楽しみに
筆を止め筆を止め書く年賀状
行く年のポストの中の年賀状
遠き町に雪の予報や年の暮
年の瀬の雪の覚悟に霙とは
飴色の大根の痩も年の暮
手袋を知らぬ紫式部の手
手袋で好きな絵本を撫でてをる
手袋はもしや眠れる猫の下
駅を出て徒歩一分のおでんの灯
おでん屋の出戻りの娘に通ふなり
今年あと余すところのおでんの灯