春 【卒業】 川原いま若草色に卒業歌

参考句追加/2021.3.20
推敲過程/テキスト追加/2022.3.6

全然堂歳時記 春の部
【卒業】そつぎょう

 

◎葉書俳句

卒業 葉書俳句

 

 

◎テキスト

卒業や今日もつつみを自転車で  ハードエッジ

卒業の堤:
卒業の兄と来てゐる堤かな 芝不器男しば ふきお

 

 

リボンして伴奏ばんそうの子や卒業歌そつぎょうか  ハードエッジ

伴奏:
俳諧はいかいに伴奏あらばひよんの笛 成瀬櫻桃子   おうとうし

卒業歌:
踏青とうせいやきこえて遠き卒業歌 木下夕爾きのした ゆうじ

田のわれにとどく母校の卒業歌 中川博秋    ひろあき

口に出てわれから遠し卒業歌 石川桂郎    けいろう

声変りしきらぬこゑの卒業歌 三村純也

卒業歌をはりしなみだすぐかわく 木下夕爾

卒業歌やよ励めよと歌ふなり ハードエッジ

 

 

B面は白紙卒業証書しょうしょかな  ハードエッジ

B面:
旅終へてよりB面の夏休 まゆずみまどか

 

 

チューブから出る色々や卒業す  ハードエッジ

チューブ:
卒業や絵具のチューブ真つ平ら 金子敦    あつし

チューブよりによろりと辛子からし冷奴ひややっこ ハードエッジ

押し返すチューブの空気とよの秋 広渡敬雄ひろわたり たかお

数へ日やチューブをしぼり出すやうに ハードエッジ

 

 

卒業の子らが来てゐる保健室ほけんしつ  ハードエッジ

保健室:
保健室も音楽室も夏休 ハードエッジ

コスモスや微熱びねつよそほふ保健室 佐藤郁良   いくら

 

 

下駄箱げたばこの前にいくたり卒業子  ハードエッジ

下駄箱:
春かなし下駄箱の名札みながされ ハードエッジ

下駄箱のふたひとつ取れ大試験だいしけん 藺草慶子いぐさ けいこ

下駄箱の奥になきけりきりきりす 正岡子規  しき

下駄箱に長靴ながぐつ長し虫の声 ハードエッジ

人日や寺の下駄箱大いなる 斉田仁さいだ じん

 

 

去るものは追はず卒業式終る  ハードエッジ

去るものの四季:
去るものはおほかた去りて春の水 片山由美子

去るものは日日にうとしや更衣ころもがえ 福田蓼汀    りょうてい

去るものは去りまたちて秋の空 飯田龍太   りゅうた

去るもの日々にうとからずぼんの月 久保田万太郎

去るものは日々に疎しや春を待つ 高野素十    すじゅう

去るものは日々に疎しよかもも人も 安住敦あずみ あつし

 

 

卒業式終へてがらんとしてゐたる  ハードエッジ

がらんとがらんどう:
ぶらんこぐ乳房のあたりがらんどう 鎌倉佐弓   さゆみ

遠足の小学校のがらんどう ハードエッジ

椿つばき一輪おく胎内たいないのがらんだう 秦夕美はた ゆみ

ひつぎ出て家がらんどう梅白し 成瀬正俊    まさとし

夏果なつはてのがらんと広き上野駅 高澤良一たかざわ よしかず

生きてゐてがらんどうなり炎天下えんてんか 中村苑子

阿蘇山頂あそさんちょうがらんどうなり秋の風 野見山朱鳥のみやま あすか

ありあふれをり落柿のがらんどう 佐々木六戈   ろっか

木枯こがらしや郵便受けのがらんどう 金子敦    あつし

荒海あらうみやなわとびの中がらんどう 冬野虹ふゆの にじ

天辺にわしゐておりのがらんどう 石井とし夫

建てかけの家のがらんと三が日 西宮舞にしみや まい

山国にがらんと住みて年用意 廣瀬直人ひろせ なおと

 

 

青空に強き風あり卒業す  ハードエッジ

卒業の風:
卒業歌ぴたりと止みて後は風 岩田由美

卒業やそれぞれ風の中へ散り 鷹羽狩行たかは しゅぎょう

 

 

川原いま若草色に卒業歌  ハードエッジ

若草:
前髪もまだ若草の匂ひかな 松尾芭蕉    ばしょう

山笑ふ若草山もそれなりに 伊藤伊那男  いなお

ふるさとのかわら若草踏みにけり 臼田亞浪うすだ あろう

若草や土手にくひつく牛のむれ 正岡子規  しき

若草やフレアースカート円くし 野中亮介    りょうすけ

若草にレインコートを敷き坐しぬ 西村和子

若草にハンカチ敷けば正午なり 鈴木鷹夫   たかお

 

 

卒業や土手の斜面をごろごろと  ハードエッジ

斜面:
一樹にて斜面染めたり落椿おちつばき 深見けん二

菜の花の斜面を潜水服のまま 今井聖    せい

ゆふぐれの麦茶をてる斜面かな 大塚凱    がい

すなあらし私の頭は無数の斜面 夏石番矢なついし ばんや

 

 

歌ふべし我らが雨の卒業歌  ハードエッジ

卒業式の雨:
卒業や見とれてしまふほどの雨 櫂未知子かい     

卒業歌つぼみの先の雨の粒 松野苑子

 

 

いつの間に晴れし卒業式の午後  ハードエッジ

いつの間:
いつの間に一番星や揚雲雀あげひばり ハードエッジ

いつの間に風冷えて来し辛夷こぶしかな 星野立子

いつの間にがらりと涼しチョコレート 星野立子

いつの間に世に無き人ぞ梅雨つゆ寒し 高濱虚子たかはま きょし

いつの間に月の出てゐし夜店かな 細川加賀  かが

いつの間に母らしきわれ夏休 星野立子

いつの間に薄日差したる秋の暮 ハードエッジ

いつのまに中日となりし夜長かな 久保田万太郎

いつの間に昼の月出て冬の空 内藤鳴雪    めいせつ

いつの間にゐなくなりしや日向ぼこ 櫛原希伊子くしはら きいこ

クリスマス気分にいつの間にか吾も 加倉井秋を

いつの間に雪まひそめし歌留多会かるたかい ハードエッジ

 

 

四つ角に卒業生の別れかな  ハードエッジ

卒業の別れ:
卒業といふ美しき別かな 清崎敏郎   としお

卒業の別れを惜しむ母と母 小野あらた

四つ角絡みで、4 Way Street:
Crosby, Stills, Nash & Young – Southern Man (live audio 1970)

 

 

ゆふぐれの町をさまよふ卒業子  ハードエッジ

夕暮の町:
夕東風ゆうごちや買はねど町に櫻草さくらそう 中村汀女    ていじょ

夕立は貧しき町を洗ひ去る 松瀬青々    せいせい

夕立や橋のかかれる町の果 ハードエッジ

夕焼やネオン少なき町に住む ハードエッジ

町筋は祭に似たり夕涼み 向井去来    きょらい

避暑の町夕餉ゆうげ済ませてより散歩 ハードエッジ

 

 

忘れ得ぬことぞ悲しき卒業歌  ハードエッジ

失敗作
もう少し、言いようがあるはずだが、、、

 

おまけ:NHKスタジオ101最終回
ヤング101『涙をこえて』

 

 

シングアウト『涙をこえて』

 

◎推敲過程/テキスト

やや不正確

全然堂歳時記 春 【卒業】

以上です