夫かなしくすし通ひに日焼して 岡本眸
秋の暮大魚の骨を海が引く 西東三鬼
賀状書くわが旧姓のおとうとへ 内田美紗
俳人、葉書俳句「開発素句報」「全然堂歳時記」発行人。
夫かなしくすし通ひに日焼して 岡本眸
秋の暮大魚の骨を海が引く 西東三鬼
賀状書くわが旧姓のおとうとへ 内田美紗
恋人と葡萄の園に昼寝して
食べ終へて骨格残る葡萄かな
園閉ざすころには雪か葡萄村
吾も春の野に下り立てば紫に 星野立子
二三粒葡萄沈みし洗桶 ハードエッジ
外套を脱げば一家のお母さん 八木忠栄
赤々と月の出を待つ夕焼かな
ふる雪もちる花もなき月夜なり
真夜中の月夜の日本大使館
婚の荷でありし柿の木祖母の庭
入りし刃にシクと切られし柿の種
柿たわわ日本の村の滅びつつ