全然堂歳時記 夏の部
【豆飯2】まめめし
全然堂歳時記=現在、本号を含め121記事=春夏秋冬–年末年始=33-29-24-22–5-8
/2026.5.23
子季語:豆の飯、豆ごはん
人気成分:色、香、子
【豆飯1】はこちら
目次
◎葉書俳句
◎テキスト
豆飯のにほひ玄関あけたれば ハードエッジ
玄関~:
玄関の向き合ふ路地や石鹸玉 小川軽舟
玄関に電話老いたり紫木蓮 堀下翔
玄関に立てば廊下の夏の闇 中田剛
玄関は靴の港や梅雨の夜 ハードエッジ
玄関に立たされてゐる梅雨の傘 ハードエッジ
玄関の次に開けをり冷蔵庫 川名将義
玄関につけてある灯の夜長かな 久保田万太郎
玄関に足の抜殻秋暑し ハードエッジ
玄関に蟇のきてゐる星祭 大木あまり
玄関にまた蟷螂の入りて来し 右城暮石
玄関を開けしままなる菊手入 依光陽子
玄関は道を恋いつつ初しぐれ 池田澄子
玄関に黒板下がり狩の宿 奥坂まや
玄関は家族にひとつ水仙花 辻内京子
玄関に靴あふれゐるお正月 西村小市
豆飯に莢豌豆のおみおつけ ハードエッジ
莢豌豆:
酒よろしさやゑんどうの味も好し 上村占魚
炊きやれば子にほめられし豆ごはん ハードエッジ
先行句:
春の星子にほめらるる子守唄 鶴岡加苗
幼な子にほめられてわが古コート 千葉皓史
豆ごはん家族の幸といふことを ハードエッジ
別案:
満腹は家族の幸や豆ごはん ハードエッジ
豆ごはん清く明るく美しく ハードエッジ
「清く正しく美しく」by 小林一三/宝塚歌劇団
星屑の如きを散らし豆ごはん ハードエッジ
星屑:
花篝夜は星屑を零しけり ハードエッジ
星屑の冷めたさに似て菊膾 大木あまり
壜に溜まるほどの星屑鍵の束 正木ゆう子
豆飯の飯に仄かに豆の色 ハードエッジ
豆の色:
豆腐凍てて大豆の色に戻りけり ハードエッジ
豆ごはん嬰はお粥で豆抜きで ハードエッジ
※NHK 文芸選評 2026 「豆飯」落選作/村上鞆彦選
お粥/62万句のわがデータベースに「お粥」の句は4句のみ/自作除外:
けさは涼しいお粥をいただく 種田山頭火
終戦記念日ひるのお粥を赤ん坊と 原コウ子
お粥煮えてくる音の鍋ぶた 尾崎放哉
幼子も匙を器用に豆ごはん ハードエッジ
器用/不器用 無器用除外:
身につきし器用貧乏鳥雲に 鈴木真砂女
三味線も器用に弾きて芙蓉かな 久保田万太郎
怠れど針は器用や縫始 富安風生
妹の小さき茶わんの豆ごはん ハードエッジ
別案:
妹の小さき茶わんも豆ごはん
茶碗/単独の:
韮芽ぶく茶碗のかけら光りゐて 上村占魚
冷奴今日るすの子の茶碗かな 増田龍雨
貰ひ来る茶碗の中の金魚かな 内藤鳴雪
蠅溺る茶碗はことにしずかなり 佃悦夫
秋風に売られて茶碗括らるゝ 飴山實
霧の夜の茶碗におつる小虫かな 石橋秀野
茶碗などまるく洗ふ手月よ護れ 川口重美
火事跡の無傷の茶碗冬の月 斉田仁
火山灰墓の茶碗に沈澱す 三橋敏雄
おかはりの言葉おぼえて豆ごはん ハードエッジ
お代り:
豆飯のお代りの声はづみけり 大串章
夏休お代りをして褒めらるる ハードエッジ
おかはりの一膳秋刀魚うら返し 鶴岡加苗
豆の字は習ひたてなり豆ごはん ハードエッジ
習ひ/学習の:
春宵や字を習ひゐる店のもの 五十嵐播水
春の夜をかな文字ばかり習ひけり 山口波津女
草笛を習ひし人の妻となる 浜口啓子
秋晴や少年釣を習ひ初む 大串章
月の名の夜ごとにかはる習ひ笛 藤井寿江子
豆めしの好きな子供に育つべし ハードエッジ
好きな子:
しやぼん玉独りが好きな子なりけり 成瀬櫻桃子
豆飯の好きな子ばかり大座敷 大串章
豆めしの好きな子供になれかしと ハードエッジ
好きな子の好きな子は誰山粧ふ 亀山こうき
冷めてなほ色香ありけり豆ごはん ハードエッジ
色香:
冷たくてほのと色香や桜餅 ハードエッジ
色香とはこれぞ草餅さくら餅 鈴木鷹夫
香水の瓶よ色香の失せたるも ハードエッジ
打ち寄せる稲穂の波の色香かな ハードエッジ
ごつごつと柚子の色香の冷たさよ ハードエッジ
焚火にも色香ありけり煙もある ハードエッジ
枯菊の水にうつりて色香なし 山口青邨
ふつくらと新年号に色香あり ハードエッジ
番付で言へば大関豆御飯 ハードエッジ
番付:
絵番付手に顔見世のもどりらし 亀井糸游
見てみたし実篤筆の豆の飯 ハードエッジ
実篤:
武者小路実篤たのし夜永からず 石塚友二
豆飯の小鉢も頼む蕎麦屋かな ハードエッジ
※NHK 文芸選評 2026 「豆飯」落選作/村上鞆彦選
蕎麦屋:
日盛を蕎麦屋暗きに入りにけり 野村喜舟
さうめんに飽きて蕎麦屋に出かけけり ハードエッジ
葉桜や蕎麦屋でたのむ玉子焼 鈴木真砂女
昼食は蕎麦屋のカレー敬老日 斉田仁
昼過ぎし蕎麦屋の閑や花木槿 森澄雄
柳散り蕎麦屋の代のかはりけり 久保田万太郎
松に菊蕎麦屋の庭の時雨かな 渡辺水巴
年越の親子贔屓の蕎麦屋あり 安住敦
豆飯の稲荷仕立てや旅の宿 ハードエッジ
旅の宿:
母春眠父朝酒の旅の宿 ハードエッジ
朝の来て桃売の来て旅の宿 石井とし夫
湯ざめして心もとなし旅の宿 波多野爽波
今日はしも柚湯なりける旅の宿 高濱虚子
寒卵ごつんと割つて旅の宿 ハードエッジ
豆飯のおにぎりポーカーの卓へ ハードエッジ
卓へ:
朝日匂ふ卓へ濡れ手で出すトマト 金子篤子
美しき若葉美味しい豆御飯 ハードエッジ
美味しい:
揚雲雀おいしい水を飲ませたし ハードエッジ
一粒で二度美味しいぞ花は葉に ハードエッジ
◎初案18句
明るくて美しきものあり豆ごはん ハードエッジ
豆めしの好きな子供になれかしと ハードエッジ
父の茶碗母の茶碗や豆の飯 ハードエッジ
豆飯のにほひ玄関あけたれば ハードエッジ
満腹は家族の幸や豆ごはん ハードエッジ
お代りの声次々に豆ごはん ハードエッジ
豆飯のおにぎりポーカーの卓へ ハードエッジ
冷めてなほ色香ありけり豆ごはん ハードエッジ
豆飯の飯に仄かに豆の色 ハードエッジ
美しや若葉の色の豆御飯 ハードエッジ
見てみたし実篤筆の豆の飯 ハードエッジ
豆飯の稲荷仕立てや宿の飯 ハードエッジ
御馳走の中の大関豆御飯 ハードエッジ
書き取りに豆といふ字や豆ごはん ハードエッジ
幼子も匙を器用に豆ごはん ハードエッジ
豆飯に莢豌豆の味噌汁も ハードエッジ
豆ごはん嬰にお粥で豆抜きで ハードエッジ
豆飯の小鉢も頼む蕎麦屋かな ハードエッジ
◎推敲句一覧/pdf
全104句/2枚
※一部【豆飯1】の俳句も含まれています
◎A4推敲 原稿/pdf
全2枚
◎A4推敲 加筆/pdf
全2枚
◎葉書推敲 原稿/pdf
全2枚
◎葉書推敲 加筆/pdf
略
◎葉書俳句秀句&注釈面
◎データベース画面/桐v10
◎豆飯秀句
蚕豆の飯のゆふぐれ待たるるよ 森澄雄
みんな居る日曜豆の飯噴くよ 都筑智子
豆飯を待つなり豆も剥かずして 百合山羽公
豆飯をわれ炊きわれの誕生日 下村梅子
すき嫌ひなくて豆飯豆腐汁 高濱虚子
豆飯を熱がつてゐるわれらかな 千葉皓史
豆飯のお代りの声はづみけり 大串章
豆飯の匂ひみなぎり来て炊くる 稲畑汀子
磯野家はみんな正座で豆ごはん 福永法弘
豆飯を炊けと主の所望かな 鈴木花蓑
豆飯や父がぽつりと母のこと 金子敦
豆飯や幼なじみの夫婦なる 山田弘子
豆飯や娘夫婦を客として 安住敦
豆飯にのせてたべるや磯のもの 京極杞陽
隠し味あるとも見えず豆の飯 稲畑汀子
豆飯に一汁あればよからんか 高野素十
豆飯や児はねむたさの箸落す 塩谷はつ枝
何するにも大勢は佳き豆の飯 高澤良一
◎未練句/補遺/在庫処理
初夏の湯気の熱さよ豆御飯 ハードエッジ
驚くや豆飯がもうコンビニに ハードエッジ
人生の初豆ごはん豆ちやわん ハードエッジ
豆ごはんお代りのこゑ妹も ハードエッジ
豆飯や一家揃つてテレビみる ハードエッジ
豆飯の豆引き立てて飯寡黙 ハードエッジ
菜食の人豆飯にビール飲む ハードエッジ
以上です


