夏 【噴水】 電飾の大噴水に夜の人出

全然堂歳時記 夏の部
【噴水】ふんすい

全然堂歳時記=現在、本号を含め120記事=春夏秋冬–年末年始=33-28-24-22–5-8
/2026.5.11

人気成分:雨、光、影、虹、高さ、先端

 

◎葉書俳句

◎テキスト

噴水の出を待つてゐる女神像めがみぞう ハードエッジ

出を待:
出を待てる都踊の妓がのぞく 長谷川素逝
殺されるために出を待つ団扇かな 富安風生
降りやみて出を待たされて雪女郎 鷹羽狩行
老優の出を待つ楽屋置炬燵 武原はん女

別案:
噴水の出を待つてゐる天使像 ハードエッジ

この池に日はまたのぼる噴水も ハードエッジ

この池:
この池の生々流転蝌蚪の紐 高濱虚子
この池に鯉はをらねど金魚をる ハードエッジ
この池に生れて交む蜻蛉かな 高濱虚子
この池の浮葉の数や冬に入る 高野素十

噴水の仕掛しかけの見ゆる朝のうち ハードエッジ

朝のうち:
柿若葉湯舟のかわく朝のうち 長谷川櫂

噴水の根元ねもとしつかり硬さうな ハードエッジ

硬さう:
いしずみと読めば石炭硬さうな ハードエッジ

噴水のたけほどもなき深さなり ハードエッジ

丈ほど:
背丈ほどの顔のポスター夏来る 大西主計
背丈ほど積むといふ雪見てみたく 今橋眞理子

噴水や雄蕊おしべ雌蕊めしべのごと開く ハードエッジ

雄+雌:
百千鳥雌蕊雄蕊を囃すなり 飯田龍太
花筏雄蕊雌蕊のなかりけり ハードエッジ
人間の雌雄のいびき古蚊帳に 日野草城
初秋刀魚雌雄の別はなかりけり ハードエッジ
雌の熊の皮やさしけれ雄とあれば 山口誓子
雌狐の尾が雄狐の首を抱く 橋本鶏二

中央の噴水に向け小噴水 ハードエッジ

中央:
ビル朧どこにでもある中央区 中田美子
中央に進んでみたき扇風機 ハードエッジ
総武線中央線や貸ボート ハードエッジ

噴水の時計仕掛じかけの正午なり ハードエッジ

正午:
春の正午のとうに止っていた時計 池田澄子
たんぽぽの皆上向きて正午なり 星野立子
若草にハンカチ敷けば正午なり 鈴木鷹夫
ラブホテル正午の水を打ちにけり 加藤静夫
万緑や正午鳴り出す時計台 川崎展宏
どこからか正午の時報枯野行く ハードエッジ

ものをることなき水が噴水に ハードエッジ

煮る:
きじやうゆの葉唐辛子を煮る香かな 草間時彦
食後また何煮る妻か寝待月 本多静江
深夜放送聞きつ夜食の麺を煮る ハードエッジ
日本に餡子の幸や小豆煮る ハードエッジ
弱火で煮るものの多くて冬の暮 桂信子
冬来れば大根を煮るたのしさあり 細見綾子

噴水のたたかつてゐる夕立中ゆだちなか ハードエッジ

闘つて:
赤と青闘つてゐる夕焼かな 波多野爽波
眠気とも闘つてゐる絵双六 ハードエッジ

先行句:
夕立とたゝかふさまの浮葉かな 軽部烏頭子

電飾でんしょくの大噴水に夜の人出ひとで ハードエッジ

電飾:
電飾の木に隣りして社会鍋 岩崎照子
枯木にも電飾の綺羅クリスマス ハードエッジ
ホテル広場電飾のみの大聖樹 山口誓子
ブランコも電飾欲しきクリスマス ハードエッジ

噴水を照らす防水ライトこそ ハードエッジ

ライト:
向日葵にヘッドライトや夜の給油 鷹羽狩行
月の土手自転車漕いでライト点く 大西朋
山眠るヘッドライトの交差せる 小池康生
ヘッドライトに老人浮ぶ聖夜かな 鈴木鷹夫
ヘッドライトに若き狸が振り返る 斉藤志歩

小夜更さよふけて噴水かずただの池 ハードエッジ

只の:
踊らねば只のししむら踊りけり 行方克巳
正月や過ぐれば只の日数のみ 石塚友二
初空や宮灯らねば只の山 原石鼎

水抜いて噴水洗ふシャワーかな ハードエッジ

水抜:
執事来て水抜き去りぬ花氷 ハードエッジ
豆腐屋も槽の水抜き年移る 小川軽舟

噴水の高さをきそふ授業なり ハードエッジ

授業:
春の雪最後の授業飾りけり 稲畑汀子
たんぽぽの土手の斜めの授業かな 千田百里
授業いま五の段の九九さくら草 樋笠文
うつとりとプールのあとの授業受く ハードエッジ

噴水の古びて水の新しき ハードエッジ

古びて:
解剖の図古びてかかる夜学かな 橋本鶏二

本社ビル前の噴水高らかに ハードエッジ

本社:
若き日の香水の香よ旧本社ビル ハードエッジ
登記上の本社は自宅菊の鉢 斉田仁
欅落葉仰げば本社ビル聳ゆ 小川軽舟

「太陽にほえろ!」噴水に張り込みぬ ハードエッジ

太陽にほえろ!:
「太陽にほえろ!」に残る扇風機 櫂未知子

噴水は所詮しょせん滝にはかなはざる ハードエッジ

所詮:
草焼いて所詮は死ぬるわが身かな 星野立子

びしよ濡れの噴水なれどあきらめず ハードエッジ

諦め:
諦めぬ力たとへばチューリップ 北大路翼
大根の諦めきつた干されやう 鎌田保子
初日拝むまだ諦めてはをらず 井本農一

◎初案20句

日付順
噴水の根本しつかりしてゐたり ハードエッジ
ものを煮ることなき水が噴水に ハードエッジ
中央の噴水に向け小噴水 ハードエッジ
びしよびしよに噴水池の輝きぬ ハードエッジ
噴水に噴水ほどの夕立来る ハードエッジ

噴水を照らす光が水の中 ハードエッジ
噴水の時計仕掛に噴き上る ハードエッジ
時間延長噴水の夏時間 ハードエッジ
この池に日はまた上る噴水も ハードエッジ
噴水の膝ほどもなき深さかな ハードエッジ

噴水の根元砲身束ねある ハードエッジ
噴水の罪ある如く循環す ハードエッジ
水抜いて噴水掃除シャワーかな ハードエッジ
旧式の噴水ひと日高さの変らざる ハードエッジ
噴水の出を待つてゐる女神様 ハードエッジ

噴水を雄蕊雌蕊のごと広ぐ ハードエッジ
太陽にほえろ!噴水に張り込みす ハードエッジ
噴水といふ大いなる水遊び ハードエッジ
理科室の噴水一尺響けり ハードエッジ
噴水は所詮滝には敵はざる ハードエッジ

 

◎推敲句一覧/pdf

全136句/3枚

 

◎A4推敲 原稿/pdf

全4枚

 

◎A4推敲 加筆/pdf

全4枚

 

◎葉書推敲 原稿/pdf

全6枚

 

◎葉書推敲 加筆/pdf

全6枚

 

◎葉書俳句秀句&注釈面

◎データベース画面/桐v10

◎噴水秀句

小一時間噴水見たり見なかったり 池田澄子
県庁と噴水おなじ古さかな 岡田由季
どしやぶりの雨の中なる噴水よ 辻桃子
噴水の石に水面に落つる音 鈴木花蓑
ファンファーレのごとく噴水上りけり 金子敦

噴水のわづかに顔にかかる距離 小池康生
がんばつてゐる噴水の機械かな 岸本尚毅
噴水の背丈を決める会議かな 鳥居真里子
噴水の頂の水落ちてこず 長谷川櫂
ベンチみな噴水に向く平和かな 鈴木鷹夫

退職す駅前噴水にも別離 成瀬櫻桃子
噴水や水のささらに蝶遊ぶ 高濱虚子

 

◎未練句/補遺/在庫処理

噴水に擬態してゐる水の粒 ハードエッジ
噴水のひと日日晒し風晒し ハードエッジ
足もとに噴水の影来て騒ぐ ハードエッジ
噴水の水噴く限り水降らす ハードエッジ
噴水の沫いて水に戻らんと ハードエッジ

噴水で人を胴上げしてみたき ハードエッジ
通勤の人噴水を見て通る ハードエッジ
噴水と水鉄砲の相関図 ハードエッジ
噴水や伸びて縮んで小賢しう ハードエッジ
噴水に賽銭投げて帰国せり ハードエッジ

噴水の精一杯といふ高さ ハードエッジ
駅前の噴水見ゆる高架駅 ハードエッジ

 

以上です