春 【蒲公英2】 蒲公英の穂絮発進準備よし

全然堂歳時記 春の部
【蒲公英2】たんぽぽ

全然堂歳時記=現在、本号を含め76記事=春夏秋冬–年末年始=27-9-17-16–3-4
/2023.3.25

子季語:鼓草
人気成分:絮、黄、踏む、風

◎葉書俳句

◎テキスト

モノリスを埋めて蒲公英咲かせある ハードエッジ
蒲公英は線路とさくのその間 ハードエッジ
毎年よ落葉の道に蒲公英黄 ハードエッジ
蒲公英の踏まれまれて通学路 ハードエッジ
蒲公英はけやき並木のその根元 ハードエッジ
蒲公英はブロックべいのこちら側 ハードエッジ
たんぽぽはあけつぴろげにそこかしこ ハードエッジ
蒲公英は原色の花を高く ハードエッジ
蒲公英にもうやはらかなチョコレート ハードエッジ
蒲公英の乳なめをるは俳人か ハードエッジ
蒲公英の盛り踏まるる盛りなり ハードエッジ
蒲公英の旅装りょそうは丸く白づくめ ハードエッジ
蒲公英の穂絮ほわた発進準備よし ハードエッジ
輪になつて蒲公英のわたふきあへり ハードエッジ
蒲公英のわた大空へ青空へ ハードエッジ
ほしいまま蒲公英のわた吹き消して ハードエッジ
たんぽぽのわたの飛び立つ港町 ハードエッジ
蒲公英の役目を終へしくきの数 ハードエッジ
たんぽぽとゆたんぽのを同じうす ハードエッジ
蒲公英のわたに見知らぬ町の朝 ハードエッジ

◎推敲過程/テキスト/pdf

全2枚/92句

全然堂歳時記 春 【蒲公英2】テキスト推敲

 

◎推敲過程/A4印刷+手書き/pdf

◎推敲過程/葉書印刷+手書き/pdf

葉書全10枚

全然堂歳時記 春 【蒲公英2】葉書推敲

 

◎葉書俳句表側

◎データベース画面/桐v10

◎蒲公英秀句

たんぽぽの皆上向きて正午なり 星野立子
たんぽぽの夜の黄色となりゆけり 鶴岡加苗
蒲公英を踏みしと思ふ夜の径 山口青邨
蒲公英黄むかしはむかしいまはいま 久保田万太郎
踏まれつゝたんぽぽ黄なり太古より 殿村莵絲子
たんぽぽや地球征服したら暇 西生ゆかり
たんぽぽの黄より激しき子を産めよ 櫂未知子
顔じゅうを蒲公英にして笑うなり 橋閒石
風愉したんぽぽの絮少女の髪 草間時彦
たんぽぽの絮の円満具足かな 鷹羽狩行
たんぽぽの絮の円満具足相 山口誓子
蒲公英やローンテニスの線の外 正岡子規
たんぽぽに飛びくらしたる小川かな 小林一茶
たんぽぽや降る客なき縄電車 荻野喜久江
死者へ摘むたんぽぽの絮全きを 片山由美子
野垂れ死ぬならたんぽぽの黄に塗れ 武田菜美
たんぽぽは良寛のため毬と成る 阿波野青畝
密生の蒲公英の供華陸軍墓地 熊口三兄子
たんぽぽの並びほほけぬ草の中 高濱虚子
たんぽぽの富士演習場の煙かな 大西主計
たんぽゝや一天玉の如くなり 松本たかし
たんぽぽや日はいつまでも大空に 中村汀女
蒲公英のかたさや海の日も一輪 中村草田男
あたたかくたんぽぽの花茎の上 長谷川素逝
ケーキ屋にたんぽぽ色の灯が点きぬ 西村和子
わが影に入ればたんぽぽ黄を濃くす 山口青邨
たんぽぽの絮をこはさず雨のふる 村上鞆彦
タンポポの黄に曇天の沼覚めし 阿部みどり女
雪ふるやきのふたんぽぽ黄なりしに 山口青邨
たんぽゝや長江濁るとこしなヘ 山口青邨
たんぽぽの絮ふるさとを出奔す 青柳志解樹
塗り畦にたんぽぽちかくありしかな 飯田蛇笏
蒲公英や激浪寄せて防波堤 水原秋櫻子
たんぽぽに代掻く泥の容赦なき 松倉ゆずる
たんぽぽの開きそめたる緑かな 永井龍男
掬ひたしたんぽぽの黄の濃きところ 福神規子
たんぽぽのぽぽと絮毛のたちにけり 加藤楸邨
たんぽゝを折ればうつろのひゞきかな 久保より江
たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ 坪内稔典
たんぽぽのぽぽぽぽぽぽとある日和 須佐薫子
たんぽゝと小声で言ひてみて一人 星野立子
たんほゝやこれもなのある花の内 正岡子規
たんぽぽ咲きティッシュペーパーつぎつぎ湧く 正木ゆう子
たんぽぽや線路へ掃きて厨口 岡本眸
たんぽぽの絮吹いてをる車掌かな 奥坂まや
たんぽぽやはいはいがもうよちよちに 山本由佳
蒲公英の絮吹いてすぐ仲好しに 堀口星眠
蒲公英を髪に挿したる平和かな 三澤福泉
たんぽぽの絮吹くときの目を細め 宇多喜代子
たんぽゝの黄が目に残り障子に黄 高濱虚子
たんぽぽの絮飛ばざるは爪弾く 杉山瑞恵
乳吐いて蒲公英の茎折れにけり 室生犀星
蒲公英や日傘ころげて仰向けに 川崎展宏
たんぽぽの絮や正しき軸を持ち 青本柚紀
一息にたんぽぽの絮飛びつくさず 山本歩禅
たんぽぽの絮吹き残る向うがは 上田信治
たんぽぽの絮とぶ映画館跡地 齋藤朝比古
蒲公英の黄の鮓やかに石油基地 大下健二
たんぽゝや生れたまゝの町に住み 五所平之助
たんぽぽや橋が別れのランドセル 十河しずえ
蒲公英の天文台となりし絮 丸井巴水
たんぽゝの座をはづれたる花一つ 京極杞陽
蒲公英や三つ揃ひ着てヘルメット 榮猿丸
たんぽぽ地に張りつき咲けり飛行音 西東三鬼
紙飛行機蒲公英の野を旋回す 安藤久美子
ふまれてもまだたんほゝの盛哉 正岡子規
蒲公英の踏まれながらに咲きつづき 菅井たみよ
たんぽぽに踏まるるつもりありにけり 山田露結
空港のたんぽぽ地に張りつきて 後藤夜半
蒲公英に置く廃港の錆錨 福田蓼汀
蒲公英や鮫あげられて横たはる 水原秋櫻子
たんぽぽや折々さます蝶の夢 加賀千代女
先刻までたんぽぽの絮ありし萼 榎本享
たんぽぽの絮富む野辺となりにけり 阿波野青畝
たんぽぽの絮毛飛ばさぬやうに折る 山本一歩
たんぽぽのまづは葉つぱの嬉しさよ 正木ゆう子
蒲公英の莖のあはれに残りけり 高屋窓秋
芝起伏してたんぽぽの黄を秘むる 深見けん二

◎未練句/補遺/在庫処理

蒲公英に弱気の花はなかりけり ハードエッジ
たんぽぽの絮のうつろを見てやりぬ ハードエッジ
蒲公英や日は平凡に午後の空 ハードエッジ
蒲公英は立てり地球は傾いて ハードエッジ
たんぽぽは地に菜の花は空にかな ハードエッジ
蒲公英の踏まれたる黄の滲みほど ハードエッジ
線路から三尺離れ蒲公英黄 ハードエッジ
蒲公英はまばらに見えていつの間に ハードエッジ
蒲公英や母校へ続く通学路 ハードエッジ
蒲公英はブロック塀の裾模様 ハードエッジ
蒲公英は地道に咲いて派手な花 ハードエッジ
たんぽぽの葉のひらべつた絮まどか ハードエッジ
蒲公英のぎざぎざの葉の緑いろ ハードエッジ

以上です