春 【凧】 沖をゆく幼子たちの凧高し

参考句などはボチボチ追加します/2023.3.11

全然堂歳時記 春の部
【凧】たこ/いかのぼり

全然堂歳時記=現在、本号を含め75記事=春夏秋冬–年末年始=26-9-17-16–3-4
/2023.3.11

子季語:紙鳶たこ、凧揚げ、凧の糸、切れ凧、かかり凧
人気成分:天、空、風、夕、暮、糸、切

 

◎葉書俳句

◎テキスト

二人しておむすび持つて凧揚たこあげに ハードエッジ
風の子に凧々あがれあがれかし ハードエッジ
追風おいかぜ反抗的はんこうてきな凧高し ハードエッジ
凧揚たこあげて歌ふ雲雀ひばりおどろかす ハードエッジ
遊びつつ高く遠くへ凧と風 ハードエッジ
雲白く凧と遊んでまた明日 ハードエッジ
湖のまん中に凧あげてみん ハードエッジ
つんつんと天につつかへ凧 ハードエッジ
凧揚たこあげや廻る地球に浮き上り ハードエッジ
凧揚たこあげ大気圏内たいきけんないよく晴れて ハードエッジ
凧揚たこあげ数多あまたの凧の同じ向き ハードエッジ
引けど引けど糸の湾曲わんきょくいかのぼり ハードエッジ
取りはずごとくに凧を手繰たぐり寄せ ハードエッジ
切れ凧の糸おほらかにただよへる ハードエッジ
糸切れて凧の落ちゆく春の川 ハードエッジ
木の枝の凧を見上げてゐる子かな ハードエッジ
木にかかる凧にうれひをもずにえ ハードエッジ
凧揚たこあげし友よ団地の屋上よ ハードエッジ
ゆふぐれのさびしさに凧つれかへる ハードエッジ
沖をゆく幼子たちの凧高し ハードエッジ

◎推敲過程/テキスト/pdf

全3枚/160句

全然堂歳時記 春 【凧】テキスト推敲

◎推敲過程/A4印刷+手書き/pdf

◎推敲過程/葉書印刷+手書き/pdf

今回から、葉書俳句1枚毎のスキャンです
(今までは4枚まとめてA4サイズでスキャン)

葉書全12枚

全然堂歳時記 春 【凧】1枚毎葉書推敲

◎葉書俳句表側

◎データベース画面/桐v10

◎凧秀句

ひとり子のひとりあそびの凧やぶれ 成瀬正俊
凧揚らざれども遊ぶをさなくて 山口誓子
凧を手に祖母を埋めに行く子なり 今瀬剛一
凧なにもて死なむあがるべし 中村苑子
勝凧の糸なり継ぎの瘤だらけ 鷹羽狩行
連凧の先頭寂しからざるや 佐々木六戈
凧の糸のびるばかりの怖ろしや 岸風三楼
凧揚げて空の深井を汲むごとし 福永耕二
落凧のあれよあれよと水の上 清崎敏郎
海が見えしか凧下りて来ず 鷹羽狩行
大凧のもんどり打ちし渚かな 行方克巳
君が代の母の晴着を凧とせむ 攝津幸彦
凧の弟子凧の師匠の前走る 山科誠
末の子の凧引きずりて得意なり 羅蘇山人
風の日の肩肘張つて懸り凧 鷹羽狩行
揚がる凧糸切れしかと思ふほど 右城暮石
ありつたけ凧糸伸べて後顧なし 内藤吐天
留守に来て子に凧買つてくれしかな 安住敦
凧上てゆるりとしたる小村哉 小林一茶
山路来て向ふ城下や凧の数 炭太祇
生き別るほどに駆け出し凧上がる 対馬康子
凧上げの下手も上手も先づ走る 高澤良一
切れ凧の切れて帰らぬ行へ哉 正岡子規
切れ凧のなほ頭を立てて流さるる 鷲谷七菜子
いかのぼり仕留めしもののごとく提げ 望月周
海士の子や舟の中より紙鳶 高井几董
漁の父の小舟へ凧伸ばす 秋元不死男

◎未練句/補遺/在庫処理

日沈む方より凧を引き戻す ハードエッジ
細く長く凧の糸ほど存へて ハードエッジ
凧揚のしぶとき糸となりにけり ハードエッジ
少年の諦め帰る掛り凧 ハードエッジ
高々と天まで凧の糸電話 ハードエッジ
背後から天界迫る凧 ハードエッジ
凧揚や風の河原の人柱 ハードエッジ
追風は無用の凧の揚りけり ハードエッジ
風当り強きに耐へて凧高し ハードエッジ
凧揚にお結び持つて来てくれし ハードエッジ
引つ張ると変な手応へ凧の糸 ハードエッジ
垂れてゐて力の強き凧の糸 ハードエッジ
凧揚のますます高く重くかな ハードエッジ
空高く浮んで重し凧 ハードエッジ
ゆるやかに垂れて重たき凧の糸 ハードエッジ
金輪際上がらぬ凧を引き廻す ハードエッジ
切れ凧の落ち行く方へ子が駆ける ハードエッジ

以上です