冬 【追儺】 追はれたる鬼の行方や冬の月

全然堂歳時記 冬の部

【追儺】ついな

節分・鬼やらひ・豆撒などを含む

 

◎葉書俳句

全然堂歳時記 冬 【追儺】

◎テキスト

石段のはての果なる追儺ついな寺 ハードエッジ

 

古寺に古き鬼ありやらふべし ハードエッジ

 

吊られある追儺の鬼の衣装いしょうなり ハードエッジ

 

鬼のごと追儺太鼓を打ち鳴らす ハードエッジ

 

正月はにぎやか節分せつぶんは大声で ハードエッジ

 

にくし青おそろしと鬼やらひ ハードエッジ

 

赤鬼が白息を吐く追儺かな ハードエッジ

 

木石ぼくせきに木石の音豆をく ハードエッジ

 

クレヨンの匂ひ追儺の鬼の面 ハードエッジ

 

ぶらんこにもすべり台にも鬼は外 ハードエッジ

 

鬼やらひ子鬼迷子まいごとなりにけり ハードエッジ

 

暗闇に闇の渦巻く鬼やらひ ハードエッジ

 

豆撒くや見あげるやうな鬼の夜 ハードエッジ

 

追はれたる鬼の行方ゆくえや冬の月 ハードエッジ

 

雪の上に追儺の豆の凹みかな ハードエッジ

 

逃れ来て春立つ朝の鬼ヶ島 ハードエッジ

 

◎テキスト補遺

参考にしている歳時記では、
「節分」は時候の季語
「追儺」は生活・行事の季語
「豆撒」は「追儺」とは別立の生活・行事季語
なんだか、ややこしくて、うっかり選句漏れがありました

福わあとふくらむやうに福は内 ハードエッジ

節分のお面被れば鬼の声 ハードエッジ

隠れをる鏡の中へ豆を撒く ハードエッジ

 

 

◎推敲過程

全然堂歳時記 冬 追儺

 

以上です