開発素句報 2022-01 湯上りの子を初夢に託しけり

開発素句報 2022-01 「謹賀新年」

◎葉書俳句

開発素句報 2022-01 改

鐘（かね）の音（ね）のしみ入るやうに去年今年（こぞことし）　ハードエッジ

鐘の音：
鐘の音を追ふ鐘の音よ春の昼　木下夕爾（きのしたゆうじ）

さびしさや撞（つ）けばのどかな鐘の音　矢島渚男（やじまなぎさお）

鐘の音（おと）まづ鳴りわたるおぼろかな　久保田万太郎

聞かぬ日もありて鐘の音霞（かす）みけり　鈴木花蓑（　　　　はなみの）

驚くや梅見（うめみ）の寺の鐘の音　ハードエッジ

鐘の音は音速で消ゆ秋の暮　ハードエッジ

鐘の音（おと）偲（しの）びて柿を食ひにけり　相生垣瓜人（あいおいがきかじん）

狐火（きつねび）の上（か）ミ手に消えて鐘の音　ハードエッジ

神々は陸海空（りくかいくう）に初日の出　ハードエッジ

神々：自作：
神々の呵々（かか）大笑（たいしょう）の花吹雪（はなふぶき）　ハードエッジ

神々も寂（さび）しがりしや秋の暮　ハードエッジ

神々も家路（いえじ）を急ぐ寒夕焼（かんゆやけ）　ハードエッジ

希臘（ぎりしゃ）にも神々多し水仙花（すいせんか）　ハードエッジ

天球（てんきゅう）を廻（まわ）す神々去年今年（こぞことし）　ハードエッジ

神々が大挙（たいきょ）今年を整（ととの）へる　ハードエッジ

神々の仲よきことも宝船（たからぶね）　ハードエッジ

神々と季語（きご）と我らと初句会（はつくかい）　ハードエッジ

パソコンは開かれし窓年明（としあ）くる　ハードエッジ

開かれ：自作：
鯵（あじ）の香や日がな天日（てんぴ）に開かれて　ハードエッジ

開かれて鯵（あじ）は干物（ひもの）に花は葉に　ハードエッジ

開かれて鰻（うなぎ）大きくなりにけり　ハードエッジ

焚火（たきび）の手押し開かれて行くやうな　ハードエッジ

あけまして光るは金の福寿草（ふくじゅそう）　ハードエッジ

光るは：
遠目にも光るは硝子（がらす）初景色（はつげしき）　岸本尚毅（　　　なおき）

長男の負けてゆゆしや絵双六（えすごろく）　ハードエッジ

負けて：
じゃんけんで負けて蛍（ほたる）に生まれたの　池田澄子

ずるずると負けて悲しき終戦日　ハードエッジ

一度負けてそれから老いし角力（すもう）かな　野村喜舟（　　　　きしゅう）

湯上りの子を初夢に託（たく）しけり　ハードエッジ

託し：
蒲公英（たんぽぽ）の絮（わた）に全（すべ）てを託しけり　ハードエッジ

年賀状虎（とら）は千里（せんり）を十二年　ハードエッジ

千里：
千里来て千里遠くへ秋の風　ハードエッジ

酒買に千里の外や今日の月　高井几董（　　　きとう）

千里飛び来て白鳥の争（あらそ）へる　津田清子

千里飛ぶ白鳥の腕（うで）太きかな　ハードエッジ

以上です