全然堂歳時記 秋の部
【胡桃】くるみ
全然堂歳時記=現在、本号を含め122記事=春夏秋冬–年末年始=33-29-25-22–5-8
/2026.10.10
子季語:鬼胡桃、姫胡桃、沢胡桃
熟語:
フレーズ:胡桃の木、胡桃打つ、胡桃落つ、胡桃干す、胡桃の殻、胡桃割る、胡桃の実、胡桃焼く
人気成分:音、硬
◎葉書俳句
◎テキスト
柿の実は派手に胡桃の実は地味に ハードエッジ
派手:
梅見婆はしよれる裾の派手模様 星野立子
派手な花に地味な種あり蒔きにけり ハードエッジ
黒をもて派手と言ひなす三鬼の忌 中原道夫
花すみれ二りんは可愛ゆ三りんは派手 京極杞陽
蒲公英は地道に咲いて派手な花 ハードエッジ
借りてさす日傘は派手や豆の花 中村汀女
少し派手いやこのくらゐ初浴衣 草間時彦
花火より花火セットの色が派手 ハードエッジ
死ぬときも派手に和蘭陀獅子頭 櫂未知子
夏燕派手な毛虫を咥へ来る ハードエッジ
神の旅派手なフレアの戦闘機 ハードエッジ
鬼あれば姫もありける胡桃かな ハードエッジ
鬼胡桃:
山月の冷えをあばたに鬼胡桃 森澄雄
鬼胡桃割る手刀を婆もちて 能村登四郎
鬼胡桃百あり百の愚直あり 菅原鬨也
がらがらと銀河を流れ鬼胡桃 ハードエッジ
凍つる夜の角うしなひし鬼胡桃 能村登四郎
艶消しの皺だらけなる胡桃なり ハードエッジ
皺だらけ:
ふくらんで紙風船の皺だらけ ハードエッジ
姫胡桃殻に籠つてばかりゐる ハードエッジ
ばかりゐ:
痩せつぽちプールに跳ねてばかりゐる 大塚次郎
蜘蛛の囲にかかつてばかりゐる人よ 黄土眠兎
悴んでばかりゐられぬ職なれど ハードエッジ
霜焼や叱つてばかりゐる子にて 中村汀女
胡桃硬しまだ正体を見せずして ハードエッジ
正体:
着膨れの正体見たり夏蜜柑 ハードエッジ
草いきれその正体に近づきゆく 波多野爽波
化物の正体見たり枯れ尾花 横井也有
帰りなん子らの胡桃も籠に満てり ハードエッジ
籠に満:
摘草の籠に満つればこゝろまた 山口諌江
淋しさに摘む芹なれば籠に満たず 加倉井秋を
初夏の手籠に満てし紅蕪 飯田蛇笏
もぎたての茄子の紺や籠に満てり 星野立子
重しにはならぬ胡桃の重さかな ハードエッジ
重さかな:
手枕に春眠といふ重さかな 白濱一羊
蜜蜂のひらひら飛べぬ重さかな ハードエッジ
梅雨寒のコーンスープの重さかな 利普苑るな
飲み干してラムネの瓶の重さかな ハードエッジ
父の日の大言海の重さかな 金子敦
脱ぎ捨てて縮む水着の重さかな 佐藤郁良
満月の海より上がる重さかな 櫛原希伊子
寒天のまだ干し足らぬ重さかな 伊藤伊那男
ぷかぷかと胡桃楽しや川流れ ハードエッジ
川流:
町中を小川流るゝ柳かな 正岡子規
山聳え川流れたり秋の風 大島蓼太
雪晴や山押し分けて川流る 相馬遷子
山遠く川流れたる枯野哉 正岡子規
花舗の裏暗し聖夜の川流れ 岡本眸
湯気上げて小川流るる冬菜畑 三村純也
胡桃割る手荒な真似も少しする ハードエッジ
真似:
死んだ真似するも思案のおぼろかな 久保田万太郎
七夕や願ひごとまで姉の真似 C、ナイトヴェール
雀らも真似して飛ぶや渡り鳥 小林一茶
鳰の子の親の真似して潜りけり 正岡子規
鴨の声真似て淋しくなりにけり 鈴木鷹夫
恐竜の胡桃割りなら買うてやろ ハードエッジ
買うてや:
少し病む児に金魚買うてやる 尾崎放哉
寂しさの虫売ならば買うてやろ ハードエッジ
擲つて岩に砕けし胡桃かな ハードエッジ
擲つ:
半日の用擲つて花下に在り 高野素十
金亀子擲つ闇の深さかな 高濱虚子
黄金蟲擲つ法に遵へり 相生垣瓜人
金亀子擲つ闇の摩擦熱 ハードエッジ
わらんべの身を擲つて独楽打てる 藤岡筑邨
擲ちし胡桃に岩の砕けざる ハードエッジ
擲ち:
冬浪の身を擲ちし渚かな 上野泰
子の耳の襞やはらかに胡桃かな ハードエッジ
子の耳:
熱高き子の耳たぶと桜貝 仙田洋子
鹿の子の耳より聡き肢もてる 後藤比奈夫
鍵穴のやうな子の耳青胡桃 鶴岡加苗
返り花赤子の耳の小ささよ ハードエッジ
獅子舞やあの山越えむ獅子の耳 久保田万太郎
地球儀の中の空洞胡桃割る ハードエッジ
空洞:
はつなつよひろがる空洞家具売場 堀之内長一
人体の空洞いくつ梅雨なかば 石寒太
あたたかき深き空洞(うつろ)の炬燵かな 松本たかし
フランスパンの空洞きよらかなりノエル 池田澄子
楽器みな空洞ありぬ冬木立 千坂希妙
胡桃割るチャイコフスキー氏の机 ハードエッジ
氏の:
立子氏の机に小さき赤き柿 京極杞陽
ホームズと胡桃仕掛の謎を解く ハードエッジ
謎を解く:
打水や平次が謎を解く時分 小沢昭一
栗鼠の手の小さかりける胡桃かな ハードエッジ
手の小:
七夕や子供相手の小商ひ 吉武月二郎
耳貸して毛糸編む手の小止みなく 麻田椎花
合はす手の小さくずれて七五三 今瀬一博
栗鼠忙し栗に胡桃に来ては去る ハードエッジ
忙し:
ゆく春や日々に忙しく日々に雨 及川貞
忙しさを此処に逃れて春風に 星野立子
見るよりも吹くに忙しき石鹸玉 抜井諒一
主婦忙しいつしか春の風邪なほり 稲畑汀子
囀や扉の把手濡れて家事忙し 岡本眸
てふてふもみどりごの瞳も忙しなき 黛執
静かなる忙しさにあり木々芽吹く 富安風生
蟬は鳴き螢は光り夏忙し ハードエッジ
洗濯機の反転忙し昼寝妻 田部黙蛙
忙しさを楽しむ母や夏休み 阿部みどり女
風邪の子に忙しく暮れし冬至かな 高野素十
忙しくて淡々として大晦日 ハードエッジ
年の瀬を忙しといひつ遊ぶなり 星野立子
忙しさにまだ余白あり賀状書く 穐好樹菟男
胡桃の木机と化して実を待てり ハードエッジ
化して/「鷹化して」は除外:
進化してさびしき体泳ぐなり 正木ゆう子
蟻の列鉄鎖と化して何処までも ハードエッジ
花進化して鶏頭と曼珠沙華 ハードエッジ
日向ぼこ蜜柑山にて糖化して 山口誓子
初夢のいくらか銀化してをりぬ 中原道夫
胡桃の実すなはち神のアーカイブ ハードエッジ
胡桃の実:
詩の糧のあと糧として胡桃の実 鷹羽狩行
山寺や干して榧の実胡桃の実 山崎ひさを
夜の卓智慧のごとくに胡桃の実 津田清子
智慧の如く裴深く隠る胡桃の実 内藤吐天
◎初案19句
1句を除き、全てここ1週間の新作/初体験かも
◎推敲句一覧/pdf
全118句/2枚
◎A4推敲 原稿/pdf
全5枚
◎A4推敲 加筆/pdf
全5枚
◎葉書推敲 原稿/pdf
全4枚
◎葉書推敲 加筆/pdf
全3枚
◎葉書俳句秀句&注釈面
◎データベース画面/桐v10
◎胡桃秀句
胡桃割り呉るゝ女に幸あれと 高濱虚子
山川や胡桃流れ来見送りぬ 山口青邨
ボール函解くより先に胡桃鳴る 橋本美代子
胡桃の殻かたきは神の寵なるか 山口波津女
胡桃割るかすかに濡れていることも 対馬康子
ひと死して小説了る炉の胡桃 橋本多佳子
胡桃手で割れし瞬間事故のごと 須川洋子
◎未練句/補遺/在庫処理
柿の木の中に胡桃の木も植ゑて ハードエッジ
太りつつ胡桃は皺を刻むなり ハードエッジ
珈琲か紅茶か胡桃割る夜は ハードエッジ
人形は口を割らねど胡桃割る ハードエッジ
胡桃割り人形のシン・ゴジラ版 ハードエッジ
帰らなむ子らの胡桃も籠に満てり ハードエッジ
◎参考サイト
【ゆっくり解説】最古の樹の実…「クルミ」とは何者なのか?を解説
以上です


