NHK俳句2022 落選作抄 ワープから抜けて見知らぬ星月夜

参考句はまあ、ぼちぼちやります/2023.2.11

NHK俳句 2022 落選作抄 40句

落選作

◎葉書俳句

 

◎テキスト

海からは遠きふるさと春の風 ハードエッジ

ふるさと:
ふるさとにふらここの揺り残し来し 小泉八重子
ふるさとや粗にして甘き草の餅 上村占魚
先生はふるさとの山風薫る 日野草城
ふるさとを裸足で過ごす畳かな 西原天気
ふるさとの波音高き祭かな 鈴木真砂女
秋雲やふるさとで売る同人誌 大串章
ふるさとを同うしたる秋天下 高野素十
ふるさとの月の港をよぎるのみ 高濱虚子
ふるさとの色町とほる墓参かな 皆吉爽雨

春風しゅんぷう驚愕きょうがくくじらしおの吹き上がる ハードエッジ

鯨と潮:
潮吹いて鯨老いゆく春の暮 木内彰志
流星に潮吹き上ぐる鯨かな ハードエッジ
凩に鯨潮吹く平戸かな 夏目漱石
好晴を鯨は潮を吹きにけり 野村喜舟

絵を踏んでイエス冷たきあうらかな ハードエッジ

絵を踏:
絵を踏むといふそれだけのことなれど 金原知典
絵を踏むや疑ひの眼に見られつゝ 尾崎迷堂
その足の絵を踏みたればどよめきぬ 夏井いつき

雛壇ひなだんの前に広げしおままごと ハードエッジ

ままごと:
ままごとの飯もおさいも土筆かな 星野立子
ままごとや今日は桜の花の下 ハードエッジ
ままごとの皿は貝殻さくら咲く 松本ヤチヨ
ままごとにかあさんがゐて草の花 福神規子
ままごとのお金はもみぢ兄いもと 井本農一
ままごとの茣蓙そのままに霜に明く 永井龍男
まゝごとの木の葉の皿が反る日和 吉屋信子

街も家もひなも一夜の焼夷弾しょういだん ハードエッジ

焼夷弾:
焼夷弾筒向日葵ひまわりをさす敗戦日 山口青邨
焼夷弾逃れし土手どてや花火見る 川村みよき

自転車で電車を追へり卒業子 ハードエッジ

もう会へぬ友のいくたり卒業歌 ハードエッジ

いくたり:
いくたりの早退しるす茶摘季 阿部ひろし
花を行くいくたり人に追ひ越され ハードエッジ
夕立に幾人乳母の雨やどり 森川許六
見ぬ友や幾人涼む不二の陰 正岡子規
いくたりか生者と遭ひぬ墓参り 上田五千石
鷹渡る流人幾人ここに立ちし 浦野芳南
幾人か時雨かけぬく勢田の橋 内藤丈草
此巨犬幾人雪に救ひけむ 石島雉子郎
幾人をこの火鉢より送りけむ 加藤楸邨
木蔭より幾人も出てバスに乗る 篠原梵

この辺の畑の色につばめの巣 ハードエッジ

この辺:
この辺の人気は荒し海苔を干す 高濱虚子
露けさのこの辺までは径ありて 清崎敏郎
この辺で待つ約束や草の花 今井つる女
この辺に住みても見たし蘆の花 星野立子
大阪の宿はこのへん日短か 高野素十
この辺は落葉の下に霜柱 ハードエッジ

フライパンに卵をジュッと朝桜 ハードエッジ

フライパン:
春なれや梵音発すフライパン 小澤實
フライパン青き煙を立てて秋 林昭太郎
大寒や丸く重たくフライパン ハードエッジ
松過やバターめぐらすフライパン 小川軽舟

寺町の桜の見ゆるお城かな ハードエッジ

寺町:
寺町や椿の花に春の雪 夏目漱石
寺町に尼寺一つ花御堂 松本たかし
寺町の花屋終日虻去らず 斉田仁
寺町は百日紅の盛りかな 今井杏太郎
ひつそりとして寺町の秋出水 久保田万太郎

きらきらと通り雨こそ立夏りっかなれ ハードエッジ

うすもののそでをがはりとたまふ ハードエッジ

がはり:
花びらのがはりと外れ水芭蕉 長谷川櫂

うすもののうすももいろの天女てんにょかな ハードエッジ

天女:
寝て仰ぐ涼しさ天女天井画 鷹羽狩行
羅を曳くや天女の天津風 内藤鳴雪
天井の天女の煤も払ひけり 内藤鳴雪

すずめとは読まぬすずめ四十雀しじゅうから ハードエッジ

朝顔の朝の力の濃紫こむらさき ハードエッジ

先行句:
露草も露の力の花ひらく 飯田龍太

朝の力:
かなかなの朝の力や文覚忌 森澄雄
うづたかき馬糞湯気立つ朝の力 西東三鬼

朝顔を咲かせ商店街朝寝 ハードエッジ

商店:
商店の二階に住んで梅雨籠り ハードエッジ
臥待の商店街の不良かな 山口優夢

流水りゅうすいに回転中の西瓜すいかなり ハードエッジ

天高く吹つ飛ばされし火山の ハードエッジ

秋の雲ただ一面にひろがりて ハードエッジ

ただ一面に立ちこめた:
『牧場の朝』/YouTube
作詞:杉村楚人冠そじんかん
作曲:船橋栄吉
歌:由紀さおり・安田祥子

秋澄むや夜空のあいも匂ふばかり ハードエッジ

夏は、
プラタナス夜もみどりなる夏は来ぬ 石田波郷

案山子翁かかしおうもとより殺気さっきなかりけり ハードエッジ

られ行くいねを見て立つ案山子かかしかな ハードエッジ

星座にはなれぬなげきの流れ星 ハードエッジ

ワープから抜けて見知らぬ星月夜ほしづきよ ハードエッジ

天文学的数をついや星月夜ほしづきよ ハードエッジ

狂ひ咲く花のあわれを見てやりぬ ハードエッジ

返り花月のなきさびしかろ ハードエッジ

ほんのりと赤子に歯あり冬紅葉ふゆもみじ ハードエッジ

大陸間たいりくかん弾道弾だんどうだんが枯野地下 ハードエッジ

お詫びと訂正:
この句は投句後の推敲句でした
すみません
投句バージョンは以下の通りです

地下深くミサイル立てて枯野かな ハードエッジ

もう一つ満月欲しき枯野かな ハードエッジ

鯛焼たいやきの二つは袋五個は箱 ハードエッジ

鯛焼たいやきいその匂ひはなかりけり ハードエッジ

つまずいて吾子あこ聖菓せいかも泣きくずれ ハードエッジ

きことをきつねに語るたぬきかな ハードエッジ

子狸こだぬきのこれは小さな腹鼓はらづつみ ハードエッジ

この山に育ちしたぬきたれたり ハードエッジ

んで顔がや眼も ハードエッジ

新年

天球てんきゅうを廻す神々去年今年こぞことし ハードエッジ

探梅たんばいの風止みたるをづはさち ハードエッジ

探梅たんばいのこれは豪華ごうかなお弁当べんとう ハードエッジ

 

◎推敲過程 テキスト

NHK俳句2022 推敲 テキスト

◎葉書俳句表側

N俳2022 前編 表

N俳2022 後編 表

 

◎データベース画面/桐v10

NHK俳句2022 落選供養 桐v10編集画面

NHK俳句2022 落選供養 桐v10編集画面

 

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