開発素句報 2022-03 窓あけて春よ春よと鳩時計

開発素句報 2022-03 「春甘し」

週末に間に合わそうと突貫制作
ようやく、印刷も終え、
最後のサイン入れの最中にふと思った
もう、３日待てば、
２０２２.２.２２という特異な日付になったのでは！

さて、後３日で次号がリリース出来るか、、、

次回のゾロ目は、
２０３３.３.３３だが、、、月末オーバーラン　←寿命も怪しい

◎葉書俳句

 

◎テキスト

窓あけて春よ春よと鳩時計（はとどけい）　ハードエッジ

鳩時計：
春の野へ胸開きたる鳩時計　東一碧紅

囀（さえず）りをさそふ二階の鳩時計　鷹羽狩行（たかは しゅぎょう）

吹抜（ふきぬ）けの涼しさに鳴る鳩時計　松崎鉄之介

鳩時計鳩を収（おさ）めて穴涼し　斉藤志歩（　　しほ）

鳩時計鳩ひきこもる西日かな　折戸洋

枯野に日戸をあけて鳴く鳩時計　秋元不死男（　　ふじお）

小火（ぼや）騒（さわ）ぎ収まりて鳴る鳩時計　しなだしん

繭玉（まゆだま）の上に貌（かお）出す鳩時計　斎藤朗笛

針供養（はりくよう）お針子（はりこ）さんにパリの夢　ハードエッジ

針子：
お針子の昔ありけり針供養　行方克巳（なめかた かつみ）

お針子と古き呼び名や針祭る　池上不二子

お針子や明日の供養に早仕舞（はやじまい）　石島雉子郎（　　　きじろう）

お針子のこれよりどこへ針供養　ハードエッジ

ほほづきや廊近き子の針子づれ　室生犀星（むろう さいせい）

朝寝して聞くや大根（だいこ）を刻（きざ）む音　ハードエッジ

聞くや：
春雨（はるさめ）を聞くや朝寝の夢の中　ハードエッジ

琴（こと）やめて鶯（うぐいす）聞くや下屋敷（しもやしき）　正岡子規（　　しき）

夕立（ゆうだち）の足音聞くや橋の下　正岡子規

虫聞くや庭木にとゞく影法師（かげぼうし）　高野素十（　　　　すじゅう）

病牀（びょうしょう）に聞くや夜明の餅（もち）の音　正岡子規

ことことと小豆（あずき）を茹（ゆ）でて春甘し　ハードエッジ

「春甘し」は独自のフレーズ　←わがデータベースには例句なし
だから、良いかどうかは読者次第

茹でて：
かげろふや茹でてこりこり蛸（たこ）の足　ハードエッジ

蟹（かに）茹でて蟹くさき町東風（こち）吹けり　藤原たかを

春の雪茹でて蕪（かぶら）のすきとほり　長谷川櫂（はせがわ かい）

菜（な）を茹でて窓くもらする冬旱（ふゆひでり）　岡本眸（　　　　ひとみ）

掃除機（そうじき）がこつんこつんと春の壁（かべ）　ハードエッジ

無論、ルンバ/掃除ロボット出現/2002年以降の俳句
→ルンバ/ウィキペディア
虚子御大には判るまい　(^_^;;;

因みに、
わがデータベース/約60万句/自作除外で「春の壁」は１句のみ

暮春（ぼしゅん）の壁にもたれる心の飛白なれ　安井浩司（　　　こうじ）

その後、
部屋の壁、しかも下端10センチ程では勿体ないので、
壁全体、、、屋外の壁を想像してみた
ほどなく、「壁打ち」に行き当る！

ぱこんぱこんとテニスの人や春の壁　ハードエッジ 2022.2.21　→開発素句報次号候補

なお、「ぱこんぱこん」には旧作あり

ぱこんぱこんと打撃練習場の春　ハードエッジ 旧作

まあ、色々と使い廻すのですね　(^_^;;;
結局、「ぱこんぱこん」無しで次号へ

掃除機：
掃除機の肚（はら）に胃袋走り梅雨（づゆ）　落合耳目（おちあい じもく）

掃除機に小銭（こぜに）吸はるる豊（とよ）の秋　加藤憲曠（　　　　けんこう）

掃除機を掃除してゐる春隣（はるとなり）　林昭太郎（　　しょうたろう）

鬼の豆吸ひて掃除機おどろけり　松倉ゆずる

つばくらにこつちの泥（どろ）は甘いぞと　ハードエッジ

こっち：
絵踏（えふみ）する女こつちを見てをりぬ　阪西敦子（さかにし あつこ）

春待つやこつちこつちと手を振（ふ）つて　ハードエッジ

夫婦連（ふうふづ）れのアメリカ人や紀元節（きげんせつ）　ハードエッジ

夫婦連：
神国（しんこく）や天（あま）てる星も夫婦連（めおとづれ）　小林一茶（　　　いっさ）

 

◎推敲過程/テキスト

開発素句報 2022-03 推敲 テキスト

◎推敲過程/葉書加筆

開発素句報 2022-03 推敲 葉書加筆

◎葉書俳句表側

 

◎Excelのオートコンプリート

印刷時、
Excelでセルを編集するとメーラーが立ち上がったり、
フォントを勝手に変更したりして困っていた
「Folding@home」のような、
メールアドレス風単語が原因とは気付いていたが、
「セルの書式設定」では対応できず諦めていた

今思えば、情けない話だが、
ネットで検索してみる、
という発想が全く浮かばなかった

今回、該当セルで頻繁に編集作業を行い、
遂に癇癪を起こして、
ようやくネット検索を試みる

「Excelで＠があると勝手にフォントが」、
とでも入力すれば、、、たちまち対応策がズラズラ
個別のセルではなく、
Excel全体のオートコンプリートを解除すればよかったのだ

分り易かった記事の一例は、こちら/@IT

しかし、
こういうテクニックは、
「セルの書式設定」の欄外にでも、
ヒントとして表示すべきだよなあ

更に、今回発見した小技は、
セル内の改行
[Alt]+[Enter]で可能だった
今までは細かに空白挿入してた　←アホ

以上です