和語俳句 【も】 もつれつゝとけつゝ春の雨の糸 鈴木花蓑

◎和語俳句、ま行の「も」です
  →「ま」
  →「み」
  →「む」
  →「め」

◎用ふ=もちう

用ゐねば己れ長物蝿叩  高濱虚子(きょし)
  ※蠅叩=はえたたき

 

 

◎縺る=もつる

  贔屓筋は、蝶、蛍、柳、繭玉など

もつれつゝとけつゝ春の雨の糸  鈴木花蓑(はなみの)
  平凡な「雨の糸」という修辞も、
  生き返ったような、、、

  参考までに、
  縺れない方の雨の糸、
  まつすぐに雨の糸見ゆ花菖蒲  森澄雄
  ※花菖蒲=はなしょうぶ

黒揚羽もつれて鉄扉くぐりけり  ふけとしこ
  ※黒揚羽=くろあげは、鉄扉=てっぴ
  駄句の多い「門を入り(出て)」系俳句ですが、
  黒と黒の対比、
  面と点の対比、、、そして、透過、
  硬軟の対比、
  高密度の漢字の対比、
  さらに、
  縺れてくぐる巧妙さなど、、、

戀の字の糸のもつるる試筆かな  鷹羽狩行(たかは・しゅぎょう)
  ※試筆=しひつ=始筆
  「試筆」=書き初め、なんですね
  知らなかった! (^_^;;;

  ところで、
  複雑な舊字には「螢」もあります

  即吟、
  火がふたつもつれもつるる螢かな  ハードエッジ 2017.9.5
  火が二つ縺れて落る螢かな  ハードエッジ 2017.9.5
  →UT:The Rolling Stones- Play With Fire

  ところで、
  「鶯」にも火が二つありますが、
  何故なんでしょう?、、、→自習/オレ

獅子舞や蝶もつれあふごとくにも  長谷川櫂
  ※獅子舞=ししまい、蝶=ちょう

 

 

◎玩ぶ、弄ぶ=もてあそぶ

もてあそぶ火のうつくしき時雨かな  日野草城(そうじょう)

 

その他のま行:

  →「ま」
  →「み」
  →「む」
  →「め」

以上です