全然堂歳時記 夏の部
【七五三】しちごさん
子季語:千歳飴
◎葉書俳句
◎テキスト
七五三
七五三着飾るに良き寒さなり ハードエッジ
着飾る:
着飾りて小さな人のひな祭 ハードエッジ
菜の花は黄を着飾りて日当りて ハードエッジ
香水や着飾ることも気養生 三田きえ子
着飾りて馬来女の跣足かな 高濱虚子
着飾りて詩歌の国の歌留多会 ハードエッジ
七五三電車の中で褒めらるる ハードエッジ
褒めらるる:
春の星子にほめらるる子守唄 鶴岡加苗
草餅の褒めらるる小会議室 池田澄子
夏休お代りをして褒めらるる ハードエッジ
榾の火や白髪のつやをほめらるゝ 小林一茶
褒めらるるままにうとうと七五三 ハードエッジ
松竹や世にほめらるる日の始 加賀千代女
七五三詣石段石畳 ハードエッジ
「石段」と「石畳」同時使用の俳句は、
わが俳句データベース(59.9万句/2021.11)になし!
だから、どうした、ではありますが、、、一応、書いておこう
石段:
石段をひろがりのぼる遍路かな 皆吉爽雨
石段にふめよと落ちし椿かな 久保田万太郎
石段を上り第二の薔薇の園 橋本美代子
石段のはじめは地べた秋祭 三橋敏雄
山路に石段ありて葛の花 高濱虚子
石段に並べてありし木の実かな 野村泊月
春近し石段下りて薺あり 高野素十
石段のぬるるにはやきしぐれかな 久保田万太郎
石段に一歩をかけぬ初詣 高濱虚子
子を抱いて石段高し初詣 星野立子
石段の変らぬ堅さ初詣 桂信子
広々と大石段や初詣 池内たけし
石畳:
三月やモナリザを売る石畳 秋元不死男
石畳つぎ目つぎ目や草青む 小林一茶
晩涼や蝉落ちまろぶ石畳 木下夕爾
新涼の靴音を待つ石畳 西村和子
神迎ふ出雲の国の石畳 有馬朗人
石段/自作:
石段を上る四つ足鹿の秋 ハードエッジ
石段の果の果なる追儺寺 ハードエッジ
降りてくる長き石段義士祭 ハードエッジ
石段は磨り減り返り花咲いて ハードエッジ
坂道に続く石段初詣 ハードエッジ
石段を白息上る初詣 ハードエッジ
石畳/自作:
花篝消えて夜明の石畳 ハードエッジ
流星の降りて転がる石畳 ハードエッジ
大寒の掃かれて硬き石畳 ハードエッジ
石段に昨日の雨や七五三 ハードエッジ
昨日の雨:
椿落ちて昨日の雨をこぼしけり 与謝蕪村
道の上にきのふの雨の氷りけり 今井杏太郎
節分やきのふの雨の水たまり 久保田万太郎
境内の日蔭ひんやり七五三 ハードエッジ
境内:
霜どけの境内広く植木市 高木晴子
境内に東京の土朝顔市 橋本美代子
境内のもう片付きし秋祭 内田美紗
境内の陣取り遊び神の留守 若井新一
境内は賑やかなれど落葉かな 正岡子規
境内や落葉掃きゐる僧遠し 橋本鶏二
境内のまつくらがりや除夜の寺 高橋淡路女
境内に薺摘みけり七日粥 大谷句佛
平日の三々五々の七五三 ハードエッジ
平日:
平日も週末もなき暑さかな ハードエッジ
住む町の平日知りし風邪寝かな 小川軽舟
人生に階段いくつ七五三 ハードエッジ
階段:
階段の昼間さみしき蟻の列 中嶋憲武
階段の裏にわれある夜食かな 小澤實
待春の大階段となりにけり 齋藤朝比古
とんとんと上る階段年忘れ 星野立子
階段を来る薔薇色の家族計画 仁平勝
階段/自作:
階段を落ち来る如く雪解川 ハードエッジ
道路から梅雨の外階段上る ハードエッジ
階段の多き薔薇園町が見ゆ ハードエッジ
階段を拭いて降り来る小春かな ハードエッジ
ゆるやかに階段状の雪として ハードエッジ
大仏の中の階段着膨れて ハードエッジ
神もまた素数を愛す七五三 ハードエッジ
素数:
その数も素数なりける素足かな ハードエッジ
重陽の素数ならざること惜む ハードエッジ
胎内の次女も健やか七五三 ハードエッジ
胎内:
春暁をまだ胎内の眠たさに 野澤節子
寒明けて胎内くぐりせし思ひ 鷹羽狩行
胎内のみどりに染まるまで昼寝 鎌倉佐弓
胎内へ戻りゆくごと蛍狩 西宮舞
胎内のぬれ髮の子よ星祭 ハードエッジ
両の手を父母に与へて七五三 ハードエッジ
与へて:
花の名を魚に与へてあたたかし 日原傳
乞へば茅花すべて与へて去にし子よ 中村汀女
好きな虫ひとつ与へて蟻地獄 櫂未知子
九九すこしいへる子七五三十五 ハードエッジ
九九:
授業いま五の段の九九さくら草 樋笠文
諳んじて九九を手玉の涼しさよ ハードエッジ
黒髪に挿せばちりりと七五三 ハードエッジ
ちりり:
朝涼やちりりと貝のシャンデリア 松野苑子
葉桜やちりりと銀のイヤリング ハードエッジ
振袖の袖ふり廻す七五三 ハードエッジ
振袖:
振袖はよきかも振つて青き踏む 山口青邨
振袖を着せてやりたや猫の妻 正岡子規
振袖に鐙をかくす夏野かな 椎本才麿
世の中は花に振袖松に鳶 正岡子規
初弓の振袖しぼる白だすき 岸川素粒子
こつぽりの高きが嬉し七五三 ハードエッジ
こつぽり:
こつぽりの高さや地虫出でにけり 波多野爽波
楽しいのは、
しんしんと寒さがたのし歩みゆく 星野立子
初詣ほどには混まず七五三 ハードエッジ
逆に、混み合ふ方は、
啓蟄や裁縫箱の混み合へる ハードエッジ
滝壺や水混み合つて揉み合つて ハードエッジ
店頭に風の混み合ふ扇風機 山田露結
江ノ島の日傘の白く混みあへる 安里琉太
虫の闇これより恋の混み合へる 山田露結
おとなしく人混みあへる初電車 武原はん女
千歳飴
尉と姥ふくろに笑めり千歳飴 ハードエッジ
不気味な笑ひ:
緑蔭に三人の老婆わらへりき 西東三鬼
尉と姥:
雛飾る吾らも尉と姥になり 品川鈴子
中中に落穂拾はずや尉と姥 与謝蕪村
初春や懐紙の透かし尉と姥 石田克子
鶴亀も松竹梅も千歳飴 ハードエッジ
鶴亀:
禅寺の鶴亀の松手入かな 毛塚静枝
細く長くと蕎麦の長さの千歳飴 ハードエッジ
推敲後:
細く長く蕎麦より甘く千歳飴 ハードエッジ
あああ、
もう葉書俳句n10部を印刷完了し、知り合いに配り始めてたのに、、、
ゆえに、
葉書は再印刷せず、小手先の追記
でも、
俳句自体は格段によくなった? ←甘いか? ←飴だもん
そもそも、
「蕎麦の長さの千歳飴」なんて、どういうセンスしてるんだ >オレ
細く長く:
素麺を細く長くと流すなり ハードエッジ
長きものフランスパンと千歳飴 ハードエッジ
フランスパン:
フランスパン立てて売らるる麦の秋 長谷川久々子
葱持つやフランスパンを持つやうに ハードエッジ
舐めてみて千年甘し千歳飴 ハードエッジ
千年:
春晝の持物千年塵まとふ 中原道夫
千年の仏を守る堂涼し ハードエッジ
千年の留守に瀑布を掛けておく 夏石番矢
千年の寺いつからの蟻地獄 津田清子
千年の飛花に盲ひし蚯蚓かな 恩田侑布子
秋風や皆千年の物ばかり 正岡子規
みちのくのここ千年の雪景色 ハードエッジ
千年の鶴万年の雪の上 ハードエッジ
千年の命よぢれて藤枯るる 高橋悦男
◎推敲過程/テキスト/pdf
データベースが不十分で、
20句中、6句ほど、推敲過程が追跡できず、除外してます
最終稿の数句も漏れてます、、、もう面倒で、、、 (^_^;;;
◎推敲過程/葉書+手書き/pdf
近日、、、のつもり
以上です