開発素句報 2018-05 大銀杏一枚の葉もなかりけり

開発素句報 2018-05 家路の人

 

 

青空や玉となりたるつる

 

差し足の鶴や氷をぴしぴしと

 

くだけては雪より白し玉霰たまあられ

  先行句:
  夕霰枝にあたりて白さかな  高野素十すじゅう

  当った方が砕けると、
  石投げて池に氷や白くね  上田信治

  白さを言わないなら、
  湖の氷にはぢく霰哉  正岡子規

 

大銀杏おおいちょう一枚の葉もなかりけり
  木によっては、
  枯葉が多少、木に残ったまま、のものもあります

  しかし、
  銀杏は散り始めたかと思うと、
  数日で、文字通り一枚残らず散り尽くします

  銀杏散る善は急げと言ふ如く  ハードエッジ

 

重なりしほうの落葉の隙間すきまかな

 

寒椿かんつばき鳥吹かれ来て吹かれ行く

 

ねぎさげて家路いえじの人となりにけり
  「家路の人」という言い回しが気に入っています

  家路の名句と言えば、
  春の暮家路に遠き人ばかり  与謝蕪村《よさ ぶそん》

  家路は人のみにあらず、とか、
  神々も家路を急ぐ寒夕焼  ハードエッジ

 

 

以上です