和語俳句 【ち】 手花火の明りに昼と違ふ庭 利普苑るな

追記:千切る/2018.2.16、分割/2017.12.15

◎和語俳句、た行の「ち」です
→「た」
→「つ」
→「て」
→「と」

「ち」で始まる動詞は少い気がする
違ふ、散る、、、あと何だろう?

50音図での動詞の分布はかなり偏りがあるのかも
では、
アルファベットでの分布はどうか、、、

こんなサイトを発見
→「ことばさあち」、○で始まる言葉
「ち、で始まる動詞」で206件ヒット

惜しむべきは、
サ変動詞を除外するオプションがないこと
50音順の整列も出来ず

それでも、
誓う、契る、千切る、縮む、近付く、近寄る、などヒットしました
まあ、ぼちぼち例句探します

 

◎違ふ=ちがう

→違ふ=たがう

合ふまでは違ふ流速雪解川  山口誓子(せいし)
  ※流速=りゅうそく、雪解川=ゆきげがわ

従姉妹とは一つ違ひや花衣  星野椿
  ※従姉妹=いとこ、花衣=はなごろも=お花見ファッション

涼風とよくすれ違ふ日なりけり  ハードエッジ
  ※涼風=りょうふう

手花火の明りに昼と違ふ庭  利普苑るな(りーふぇん・)
  →増殖する俳句歳時記:利普苑るな

牡丹の色違へども蘂の金  川崎慶子
  ※牡丹=ぼうたん(音数調整)、蘂=しべ
  「色違い」という日常語に引かれて、
  「ちがえども」に分類しましたが、
  「牡丹」の風格に対抗するなら、
  「たがえども」がいいでしょうか?

秋風や模様の違ふ皿二つ  原石鼎(せきてい)
  自然から抽出された文様、模様
  もしくは、まったくの幾何学模様
  さらに、それらが、
  柔らかな粘土を加工した、硬い皿の上に定着している

  火で焼かれたが、今は冷たく重い

  模様が見えるくらいだから、
  皿の上に(置かれるべき)物は乗ってない

  しかも、
  皿は2枚あって、模様が違う、、、

  二枚、と言わず、二つ、である

  皿の模様という非常に具体的なものに、
  季節が大きく変ろうとしている秋を配置

  しかも、
  秋風という大景であるものの、
  目には見えない、風

  見えないが、
  風に吹かれたものは動き、目に見える、、、動く模様

  模様の違う2枚の皿を前にして、
  色々と物思う秋であることよ
  、、、なんて通俗解

  そもそも、
  旅館の夕食などは、
  一見、
  小皿、小鉢がてんでんばらばら、である
  ああいうのは学問では何と呼ぶのだろう?

  いかにも統一された食器セットではなく、
  ばらばらな中に、統一とは別の美を感じる
  それは日本独特の文化、、、かどうかは知らないが、
  個人的には大いに親近感あり

  なお、
  貧乏でセット物の皿を揃えられなかった
  そういう解釈もあるようです

  色々深読みを誘う句、ではあります
  →「秋風や模様の違ふ皿二つ」/GGL

すれ違ふ寒鯉に渦おこりけり  岸本尚毅(なおき)

 

 

◎千切る=ちぎる

涅槃会ねはんえ蚯蚓みみずちぎれしくわの先  正岡子規しき

やかましき風鈴の舌千切りけり  ハードエッジ

曼珠沙華まんじゅしゃげ食ひちぎられしごとくなり  長谷川かい

人ごゑを風ふきちぎる焚火たきびかな  久保田万太郎

ラグビーのジャケツちぎれてたたかへる  山口誓子せいし

引きりしすそ千切れたる冬のちょう  ハードエッジ

 

 

以上です