角川俳句賞2017 落選作 鬼さんもこちらへござれ花の宴

角川俳句賞2018落選作は11月4日ころ発表します

 

角川俳句賞2017

落選作

 

「豚カツ」50句 ハードエッジ

大いなるシーツが飛んで花吹雪
花ふぶき張子の虎も吠ゆるかな
鬼さんもこちらへござれ花の宴
一族は亀鳴く村に住むと云ふ
かりそめの蜜にふくるる蜂の腹

ぴちやぴちやと水の音して恋の猫
噛み抱くは子猫の時のタオルなり
砂浜のこれより岩場松の芯
薄紅の唇硬し桜鯛
子鯨も乳呑むころか朧月

行く春を乗せたる象の歩みかな
花だけで終ることなく花は葉に
瀬戸内の駘蕩たるも花蜜柑
半玉のキャベツ売らるる仰向に
買ふべしや黴除の護符なるものを

客布団黴を寄せじと絢爛に
十薬に白鷺城の見ゆるかな
強きもの力あるもの雲の峰
待ちかねし快音バット缶ビール
日焼子の鼻の頭の仔細かな

金魚玉割れんばかりに赤子泣く
美しき黒の剥落揚羽蝶
ビニールも儚かりしが蛇の衣
水音の縞の浴衣でありにけり
打ち捨てて次なる町へ夕立行

蝉燃えて黒くなりたる原爆忌
寂しさに音ありとせば遠花火
白狐もとより踊上手なり
青虫の腸青き機嫌かな
さらはれて菊人形の傍らに

遠浅の刈田ありけり日が沈む
ひとつ買ひその他の虫は聞き捨てに
南瓜煮て一晩寝かす手紙かな
流星や古墳に神の剣あり
朝々に木の葉が舞へば雀らも

包まれてコロッケ熱し初時雨
木枯に金鈴を買ふ銀座かな
干布団枯野の見ゆる丘の上
ぼろ市のこれは波斯の市場より
懐しき善男善女日記買ふ

聖しこの夜の厨の煮凝よ
水族館に海の一族注連飾
女の神も乗せて目出度し宝船
この山に氷の瀧の幾柱
ゆるやかに階段状の雪として

硝子戸の外に置かれて雪兎
水仙を切つてぽたぽたしてゐたる
水仙を生けて古りゆくものばかり
老先生大学を去る桃の花
豚カツを母が作るよ春休

 

◎久々に、読み返してみて、
あれ、応募当時の輝きは何処へ行ってしまったの、状態 (+_+)
/2017.11.5

以上です