【雲なき】 ふゆぞらに雲一つなきまことかな 久保田万太郎

俳句類題 形容詞

【雲なき】くもなき

 

◎春

一ところ山に雲なき餘寒よかんかな  久保田万太郎

雲一つなくてまばゆき雪解ゆきげかな  久保田万太郎

畑うつやうごかぬ雲もなくなりぬ  与謝蕪村よさ ぶそん

 

 

◎夏

うつくしや雲一つなき土用どよう空  小林一茶   いっさ

 

 

◎秋

ゆく秋の不二に雲なき日なりけり  久保田万太郎

雲あれど無きがごとくに秋日和あきびより  高濱虚子たかはま きょし

雲ひとつなき秋晴の日なりけり  ハードエッジ

いざよひは雲ひとつなき寒さかな  高井几董   きとう

雲ひとつなき午後の晴れ落し水  木下夕爾   ゆうじ

あきあかね雲なく暮れてひと日かな  宮津昭彦みやつ あきひこ

 

 

◎冬

雲もなき不二見て寒し江戸の町  正岡子規  しき

青空に雲一つなき冬至とうじかな  ハードエッジ

ふゆぞらに雲一つなきまことかな  久保田万太郎

富士山に雲ひとつなき懐手ふところで  まゆずみまどか

青空に雲も日もなきお茶の花  岸本尚毅   なおき

 

 

◎新年

初富士に雲なく樹海じゅかいの如し  渡辺水巴   すいは

 

以上です