推敲:「木の階段」→「木の階」/2022.5.15
全然堂歳時記 春の部
【雛納め】ひなおさめ
※雛流しを含む
【雛祭1】はこちら/別タブ
【雛祭2】はこちら/別タブ
【雛祭3】はこちら/別タブ
◎葉書俳句
◎テキスト
雛納め亀鳴くころと思ひつつ ハードエッジ
古き良き軽き木箱や雛納め ハードエッジ
木箱:
百本の破魔矢を立てし素木箱 右城暮石
沐浴も叶はぬ雛を納めけり ハードエッジ
くらやみの箱を重ねて雛納め ハードエッジ
重ねて/自作:
丼を重ねて重し濃紫陽花 ハードエッジ
幾度も焚火の跡を重ねては ハードエッジ
焚火跡重ね重ねて年新た ハードエッジ
畳むべき雛毛氈の大いなる ハードエッジ
毛氈と花:
毛氈のあせて客なし梅の園 本田あふひ
散り初めし花に毛氈濃かりけり 永井龍男
葉櫻にひまな茶店の緋毛氈 成瀬櫻桃子
雛納め木の階段の現はるる ハードエッジ
推敲:
雛納め木の階の現るる ハードエッジ 2022.5.15
木の階段:
春雨や木の階段が書庫の奥 山口優夢
残りたるあられは鯉に雛納め ハードエッジ
先行句:
鯉が食う雛の日すぎし雛あられ 和知喜八
桃の花卓に散りゆく雛納め ハードエッジ
雛+桃:
店へ出る雛に桃のつぼみかな 横井也有
雛の日の郵便局の桃の花 深見けん二
雛壇や葉を吐いてゐる桃の花 清崎敏郎
雛二つ桃一枝や床の上 正岡子規
明日しらぬ雛の栄耀やけふの桃 各務支考
雛舟や手向けのごとく桃一枝 大野林火
雛過ぎし畑の桃となりにけり 富安風生
桃活けて雛なきおもひ俄かにも 朝倉和江
桃咲いて雛の色の卵焼 ハードエッジ
花はまだ硬き蕾や雛納め ハードエッジ
雛納め子の折紙を入れてやる ハードエッジ
折紙:
折紙の動物園へ春の客 西川火尖
折紙の裏側さびし梅雨の夜 ハードエッジ
ハンカチは折紙よりも大きかり ハードエッジ
折紙の如く春著を畳みをり 上野泰
折紙の鶴の処分にまた困る 池田澄子
雛の夜のつひには雛を納むる夜 ハードエッジ
白無垢の明日は別れの紙雛 ハードエッジ
紙雛:
衣手は露の光りや紙雛 与謝蕪村
黒髪の重さを知らず紙雛 伊藤宇太子
紙雛の衛士へ篝のマッチ棒 嶋田麻紀
紙雛の女雛の金ンの帯ゆるし 橋本鶏二
紙雛の折り目正してより流す 片山由美子
紙雛の流れのさきのさくら川 杉本寛
紙雛つるして枝垂桜哉 夏目漱石
雪解の水の冷たき雛流し ハードエッジ
雛と水:
さかさまに水ごもりたまふ雛かな 阿波野青畝
金の帯水浸きてかなし流し雛 米澤治子
水底を影遅れゆく流し雛 藤原たかを
流し雛水漬きながらも迅かりし 下村梅子
龍宮へ落つる水脈あり流し雛 原裕
神主が風にはたはた雛流し ハードエッジ
はたはた:
スカートのはたはたしたる船遊 辻桃子
はたはたと幟の影の打つ如し 中村汀女
運動会ゴールの手足はたはたと ハードエッジ
はたはたと灯虫のゆける踊の輪 黒田杏子
雛流し色あるものもなきものも ハードエッジ
流れ行く雛に持たせし桜貝 ハードエッジ
雛+貝:
厨房に貝が歩くよ雛祭 秋元不死男
雛流し鯛や鮃の海へかな ハードエッジ
鯛とひらめ:
鯛の上平目の上や舟遊び 上野泰
龍宮に鯛や鮃や桜貝 ハードエッジ
雛を積みし舟の引きずる千羽鶴 ハードエッジ
千羽鶴:
梅の香やおのづから揺る千羽鶴 篠田悌二郎
ぬけおちて涼しき一羽千羽鶴 澁谷道
千羽鶴千の退屈十二月 正木志司子
雛流し時の流れの中にかな ハードエッジ
雛納め芦屋の人を悼みつつ ハードエッジ
◎推敲過程/テキスト/pdf
全然堂歳時記 春 【雛納め】◎推敲過程/A4+手書き/jpg
◎推敲過程/葉書+手書き/jpg
以上です