ペアリング63 春昼の積木崩しの悲鳴らし ハードエッジ

ペアリング 63

◎悲鳴

春昼しゅんちゅう積木崩つみきくずしの悲鳴ひめいらし ハードエッジ

ぶらんこの子の悲鳴めく笑ひ声 中本真人   まさと

悲鳴にも似たり夜食の食べこぼし 波多野爽波はたの そうは

釘抜けば悲鳴をあげぬ鵙日和もずびより 高澤良一たかざわ よしかず

 

 

◎時刻表

行く春やしばし見あげて時刻表じこくひょう ハードエッジ

厳寒げんかんの駅かんたんな時刻表 仲寒蝉なか かんせん

大寒だいかんや投げてばたばた時刻表 ハードエッジ

白く立つ枯野の中の時刻表 ハードエッジ

 

 

◎閉め忘れ

梅雨つゆの月めわすれたる窓にかな 久保田万太郎

月の木戸しめ忘れたる夜風かな 飯田蛇笏   だこつ

 

 

◎見せ場

ながながと切腹の場や夏芝居 大木あまり

見得みえを切るまでをながなが初芝居 戸恒東人とつね はるひと

初曽我はつそがかたきを前に長科白ながせりふ 大堀柊花おおほり しゅうか

 

 

◎めだま

つぶらなるが眼はなんつゆの秋 飯田蛇笏

愛かなしつめたき目玉めたれば 榮猿丸さかえ さるまる

 

 

◎追悼

いつもあなたにめられたかつた初涼しょりょう 阿部知代

先生ありがとうございました冬日ひとつ 池田澄子

 

 

◎雪の枝

二三寸雪をでたる何かの ハードエッジ

雪を出しがくの枝々影をひき 高野素十    すじゅう

 

 

◎燃える鏡

姿見の火事をうつして火事の中 山田露結   ろけつ

母を消す火事の中なる鏡台に 寺山修司

大鏡火事をうつしてくずれけり 柿本多映  たえ

 

 

◎暦の終り

古暦ふるごよみ余白なきまで遊びたる 橋本榮治

平穏へいおんは余白にありて暦果こよみはつ 伊藤伊那男  いなお

 

 

◎希望の丘

希望が丘緑ヶ丘より賀状くる 宇多喜代子

夢ヶ丘希望ヶ丘や冴返さえかえる 相子智恵あいこ ちえ

 

 

以上です