開発素句報 2019-09
神代の昔
◎葉書俳句
◎テキスト
日曜の朝は運動会の朝 ハードエッジ
運動会秀句:
秋晴の運動会をしてゐるよ 富安風生
半袖をさらにまくつて運動会 大塚次郎
ねかされて運動会の旗の束 千葉皓史
運動会午後へ白線引き直す 西村和子
子を走らす運動会後の線の上 矢島渚男
「日曜の朝」は宇多田ヒカルにありますが、
彼女の母、藤圭子の時代にも、
Velvet Underground-“Sunday Morning” 1967があります
しかし、私の好みは同年の「水曜の朝」at five o’clock
申し訳なささうな黄を青蜜柑 ハードエッジ
桃なら、
桃青し赤きところの少しあり 高野素十
菊の香のつんと神代の昔かな ハードエッジ
神代の昔といえば、
畠山みどり『恋は神代の昔から』
日本に神の名あまた柿の名も ハードエッジ
神の名の秀句:
あたたかや一番星に女神の名 山口速
清水にもあるや神の名仏の名 正岡子規
むつかしき神の名となへ大祓 山上樹実雄
紅葉して山に神の名仏の名 成田千空
柿の色んな種類はこちら「旬の食材百科」
埒もなく秋の畳に昼寝かな ハードエッジ
自作による畳の四季:
雛飾る古き畳に緋毛氈 ハードエッジ
初夏や畳の家に靴を脱ぎ ハードエッジ
蚊遣火につくづく古き畳かな ハードエッジ
畳なき国は寂しや天の川 ハードエッジ
新年や畳の部屋に椅子机 ハードエッジ
一年で果つる虫草秋の風 ハードエッジ
「果つる」秀句:
焼却炉錆び果つるとも梅白し 岸本尚毅
紅梅や病臥に果つる二十代 古賀まり子
波はみな渚に果つる晩夏かな 友岡子郷
砂噛んで果つるほかなし秋の波 鈴木真砂女
自作も、
蜂蜜のとろりと夜学果つる頃 ハードエッジ
秋深し稲の色してマヨネーズ ハードエッジ
マヨネーズ秀句:
晩春をヌード気分のマヨネーズ 小枝恵美子
マヨネーズおろおろ出づる暑さかな 小川軽舟
さびしいぞ越冬小屋のマヨネーズ 須佐薫子
◎推敲過程/pdf
開発素句報2019-09
以上です