開発素句報 2018-13 海滴るや
◎葉書版
◎自句自解
春暁の海滴るや桜海老
季語以外の「滴るや」で、極めつけはこれ、
腸に春滴るや粥の味 夏目漱石
古き良きものの一つに春の風
改案、
古き良きものは暖か春の風
大海の蛸の吐き出す陽炎か
※「蜃気楼」とゴッチャになっていたかも/2018.4.7
蜃気楼=〔蜃(大蛤(おおはまぐり))が気を吐いて描いた楼閣の意〕/大辞林
「陽炎」は900句以上
ざっと、分類したところ、
人、生、場、物、、、
では、それ以外に活路を開こうと、
発生源を探ってみました
遠く、ぼんやり、陸、海、漁船、ゆらゆら、、、タコ!!
「吐」の俳句は760句ほど
全数チェックは次の機会として、
今回、頭にあったのは、
乳吐いてたんぽぽの茎折れにけり 室生犀星
雲を呑で花を吐なるよしの山 与謝蕪村
叩かれて昼の蚊を吐く木魚かな 夏目漱石
閻王の口や牡丹を吐んとす 与謝蕪村
虹を吐てひらかんとする牡丹かな 与謝蕪村
赤にあらず黄色にあらず桜貝
桜貝は美しく、ほんのり、情緒たっぷりに詠むのが定石
ならば、逆張りの原色で、、、
おっと、自己模倣発覚
金銀にあらざる赤き桜しべ ハードエッジ 2015
蒲公英や波打際の波殺し
春のテトラポッドと何を対比するか?
取り敢えず、無難な植物で
対比効果を出すために、木よりは草
それもなるべく小さくて対比に耐えられる草
となると、
スミレやレンゲは弱過ぎで、
色彩的にも強そうなタンポポと言うことに
冬場に大自然との対決なら、
木枯しは陸に波殺しは海に
落ち零れ吹き溜りたる桜かな
動詞4個入り、お徳用!
桜の花が花のまま、
若しくは、
花びらとなって、飛花落花
地に落ちれば花の屑、花屑
川に流れれば花筏
それぞれに俳句になってます
はなびらのいま花屑となる途中 桂信子
はなびらも花のままなる花屑も 後藤夜半
花屑の深きを浚ふ箒かな 岸本尚毅
花筏浮かべる水となりにけり ハードエッジ
吹き降りに乱るるままに花筏 ハードエッジ
満開の花に送られ花筏
海や湖への長旅の始りです
◎未練句
シャルル・ド・ゴール空港の春の雨
飛行機も国際線も苦手です
旧作には国内線も
神在の出雲空港出雲駅
◎推敲過程 葉書
pdf_20180405◎推敲過程 DB
開発素句報2018-13
以上です