開発素句報 2017-07 食べ盛り遊び盛りの涼しさよ

不定期刊、ではありますが、
一週間で新号が出せました

しかし、
例によって、見切り発車、
のつもりはないのですが、
発行直後に推敲また推敲

仕上げをちゃんとするように、
という考え方もありますが、
それなりに正式版として発表すると、
急に、
見えなかったものが、見えてくる、
という、効用もあります

まあ、最終的に、
品質が向上すればいいわけで、
ご容赦いただきたい

 

◎開発素句報 2017-07 育ち盛り

隆々と神の力ぞ雲の峰

  ※隆々=りゅうりゅう
  むくむく、強き、力、力任せ、神通力、神の力、筋骨隆々、腕力、、、
  等々、試行錯誤
  神々の腕力たぎる雲の峰
  神々の隆々たるも雲の峰
  神々の隆々たるや雲の峰

 

日に水に育ち盛りや茄子胡瓜

  ※茄子胡瓜=なすきゅうり
  水+火は見かけますが、
  水+日は少数で、ユニークか、、、

  おっと、全然、勘違いでした
  55DBの収録句数は、
  水+日=1400
  水+火=350、でした
  4倍ですね

  水+日の組み合せでは、
  (日向水=ひなたみず、というマンマの季語もあります)
  滝壺の水に遊べる日の斑かな 高濱年尾(としお)
  ※斑=ふ
  睡蓮の水に二時の日三時の日 後藤比奈夫(ひなお)
  ※睡蓮=すいれん

  水+火、の組み合せでは、
  手花火のこぼす火の色水の色  後藤夜半(やはん)
  夜半さんは比奈夫さんの父上です
  火と水と草の命や若菜粥  長谷川櫂(かい)
  ※若菜粥=わかながゆ

  さてさて、
  日と水に、、、茄子と胡瓜、では、
  なんだか、順列組み合せみたいで煩雑です

  旧作に、
  子を起し茄子や胡瓜に水をやり

  も、あるので、
  一旦、茄子胡瓜、を放棄
  食べ盛り、でスピンオフ
  食べ盛り育ち盛りの涼しさよ
  食べ盛り遊び盛りの涼しさよ

  もう一度、原句に戻ってシンプルに、
  青空に伸び盛りなる胡瓜かな

 

索麺の湯に素麺を突き刺して

  ※素麺=そうめん
  どうも、素麺の湯、がゆるいような、、、
  滾りたる湯に素麺を突き刺して
  煮え滾る湯に素麺を突き刺して
  滾る=たぎる
  おっと、
  原句で「索麺」となっていますが、
  単に、変換キー打ち過ぎの凡ミス
  しかし、
  一週間ほど、まったく気付かないとは、、、

 

中央に進んでみたき扇風機

  さあさあ、
  そんな隅っこで首振ってないで、
  どうぞ、中ほどへお進みください

 

身を投げて溺るる如し籐寝椅子

  ※溺るる=おぼるる、如し=ごとし、籐寝椅子=とうねいす

  最終的な身投げなら、
  わが終り銀河の中に身を投げん  高濱虚子(きょし)

 

広がりて広がり消ゆる夕焼かな

  ※夕焼=この場合は、ゆやけ
  リフレインが良い、、、と思ったものの、
  ヒロガリ、のガリガリ感は、ゆやけ、の柔かさに似合わない
  取り敢えず、半減
  大空に広がり消ゆる夕焼かな

 

夕焼の向ふへ落る夕日かな

  ロマンチック バージョン
  夕焼の彼方へ夕日さやうなら
  夕焼に夕日が消えてさやうなら
  抱かれて夕焼の中の夕日かな
  安らかや夕焼の中に夕日消ゆ
  再度、シンプルに、/2017.7.28
  赤々と夕焼の中の夕日かな
  夕焼を赤いとダメ押しするのは野暮ですが、
  まあ、
  確信犯ということで、、、
  (収録し切れないので、次号掲載とします)

  最後の最後のロマンチック、
  夕焼に促されつつさやうなら
  ※促され=うながされ

  促す、は人と足なんですね
  督促状とか、蹴っ飛ばすイメージ
  平仮名にして、
  夕焼にうながされつつさやうなら
  では、どうも読み難いし、、、

 

◎改訂版です

◎2訂版です

◎ついに、3訂版です

以上です
お読み頂きありがとうございました
/1587字

追伸:/2017.8.18
その後の推敲句
安らかや日は夕焼に包まれて
開発素句報2017-11、に掲載