夏 【裸子】 裸子がわれの裸をよろこべり 千葉皓史

「裸子(はだかご)」を集めてみました

裸子は夏の季語「裸」の中の子供の句です

  理科の授業では裸子(らし)植物ですが、
  俳句では裸子(はだかご)、裸の子(はだかのこ)です

◎進化と増加

裸子や涙の顔をあげて這ふ  野見山朱鳥(あすか) ←這ふ=はう
  明日へ向って這え!

二本足歩行となりぬ裸の子  ハードエッジ
  直立歩行した人類には、間もなく、モノリスが、、、

裸子の尿るに弓をなす背かな  波多野爽波(はたの・そうは) ←尿る=いばる、ゆばる
  ひと泳ぎした後でしょうか
  全員が岩場か川原に整列して、
  もっと高く、もっと遠くへと、、、

  女の子なら、、、

  女の子尿るとかがむ曼珠沙華  遠藤梧逸(ごいつ) ←曼珠沙華=まんじゅしゃげ

裸子がわれの裸をよろこべり  千葉皓史(こうし)
  ぺたぺた叩いたり、抱きついて登ったり、

母に強く犬に弱しや裸の子  高野素十(すじゅう)
  豪傑にも弱点があります

裸子をひつさげ歩く温泉の廊下  高濱虚子(きょし) ←温泉=ゆ
  ぐずる子を問答無用なのか
  旅先での大サービスなのか

道問へば露地に裸子充満す  加藤楸邨(しゅうそん) ←露地=ろじ
  昭和の露地です
  個人的には裸子より日焼子の感じですが、、、

唄へといへば唄ひやまぬよ裸子ら  岩淵喜代子
  日本は元気です、、、でした?

裸子をひとり得しのみ礼拝す  石橋秀野(ひでの)
  しみじみ一人

 

◎観察

ありありと裸子なりし女の子  綾部仁喜(あやべ・じんき)
  それはもう、ありありと、なんです

心音をききあふ裸子のあそび  藤村真理
  何でしょう、この不思議な音は

裸子の尻らつきようのごと白く  本井英(もとい・えい)
  粒選りの、剥きたての、洗いたて、であります

  なお、
  辣韮(らっきょう)の比喩はお尻だけではありません

  秋澄みて子規の辣韮頭かな  松野苑子

 

◎おまけです

  裸子以外の動物のお尻です(四季順)

雪解や市に鞭つ牛の尻 尾崎紅葉(こうよう) ←雪解=ゆきどけ、鞭つ=むちうつ

馬の尻の綺麗に割れて菫咲く 中村和弘 ←綺麗=きれい、菫=すみれ

いとけなき陽炎のぼる象の尻 加藤楸邨 ←陽炎=かげろう

やせ馬の尻ならべたるあつさ哉 正岡子規 ←哉=かな

牛馬の尻並べけり蠅の中 正岡子規 ←蠅=はえ

秋風や屠られに行く牛の尻 夏目漱石(そうせき) ←屠られ=ほふられ

秋晴れやぱんと張りたる馬の尻 茅根知子(ちのね・ともこ)

角切つて月より白き鹿の尻 古舘曹人(ふるだち・そうじん)

万歳や馬の尻へも一祝ひ 小林一茶(いっさ)

 

◎今回のまとめの3句です

裸子がわれの裸をよろこべり  千葉皓史

裸子の尿るに弓をなす背かな  波多野爽波

母に強く犬に弱しや裸の子  高野素十

※「55DB」の収録句数:裸は調整中で400句前後(内、裸子が120句)
以上です。お読み頂きありがとうございました