和語俳句 【お】 長雨に火力衰ふ曼珠沙華　高澤良一

追加：洟／2018.3.22 分割新設置／2018.2.5

◎和語俳句あ行の「お」です
　　→「あ」
　　→「い」
　　→「う」
　　→「え」

◎怠る＝おこたる

日を経てはおこたる雛の灯かな　　軽部烏頭子（かるべ・うとうし）
　　※経て＝へて、雛＝ひな、灯＝ともし

怠らぬあゆみ恐ろし蝸牛　　炭太祇（たん・たいぎ）
　　※蝸牛＝かたつむり

伏す鹿の耳怠らず紅葉山　　小島健

 

 

◎衰ふ＝おとろう

長雨に火力衰ふ曼珠沙華　　高澤良一
　　※曼珠沙華＝まんじゅしゃげ

おとろへてより鶏頭のおそろしき　　谷野予志（よし）
　　※鶏頭＝けいとう

 

 

◎驚く＝おどろく

鎌倉を驚かしたる余寒あり　高濱虚子

洟（はな）すする音に驚く余寒かな　小松崎爽青（そうせい）

輪となりし水のおどろき落椿　　鷹羽狩行（たかは・しゅぎょう）

自転車の妻に驚く鰯雲　　斎藤夏風
　　※鰯雲＝いわしぐも

新涼や豆腐驚く唐辛子　　前田普羅（ふら）

秋たつや何におどろく陰陽師　　与謝蕪村（よさ・ぶそん）
　　※陰陽師＝おんみょうじ

斧入れて香に驚くや冬木立　　与謝蕪村
　　※斧＝おの

初雪の驚き消ゆる水面かな　　ハードエッジ

 

その他のあ行：

　　→「あ」
　　→「い」
　　→「う」
　　→「え」

以上です