全然堂歳時記 秋
【月】つき
◎葉書俳句
◎テキスト
赤々と月の出を待つ夕焼かな ハードエッジ
出を待つ俳句:
殺されるために出を待つ団扇かな 富安風生
枝の先に月の出を待つ鵙の贄 ハードエッジ
待てない場合は
月の出を待てず落花の限りなし ハードエッジ
髪乾くまで月の出を待たせある ハードエッジ
待たせあるの自作:
歌留多会雪の俥を待たせある ハードエッジ
虫籠を闇に沈めて月を待つ ハードエッジ
闇に沈む俳句:
恋を得て蛍は闇に沈みけり 鈴木真砂女
人待つや月の光を浴びながら ハードエッジ
ふる雪もちる花もなき月夜なり ハードエッジ
雪月花の月
けふの月あしたの月や日々の月 ハードエッジ
毎日、変化
名を変へて刻を違へて月上る ハードエッジ
翌日以降、
十六夜、立待月、居待月、寝待月、更待月
満ち欠けの欠けを楽しむ月とこそ ハードエッジ
満月や永遠に零るる崖の土 ハードエッジ
満月も欠け、崖もやがては、、、
屋上に駐車場あり今日の月 ハードエッジ
近頃のスーパーや生協は
一駅を歩いて月の僕かな ハードエッジ
一駅を歩くは常套句ですが、、、
中庭の木のてらてらと月の宿 ハードエッジ
月の宿の秀句:
信濃なる旅も終りの月の宿 福田蓼汀
風鐸が床に置かれて月の宿 阿部みどり女
蚊帳吊ると庭に追はれぬ月の宿 島村元
月の宿二階のとなり同士かな 車谷弘
今朝は早薪割る音や月の宿 高濱虚子
自作も、
長々と月の廊下や月の宿 ハードエッジ
座布団に坐してこれより月の舟 ハードエッジ
参考句:
人下りしあとの座布団月の舟 今井つる女
座布団の自作:
座布団を腹に乗せたる昼寝かな ハードエッジ
座布団や小春日和の人を待つ ハードエッジ
座布団をおざぶというて時雨かな ハードエッジ
わが去りて座布団残る日向ぼこ ハードエッジ
月の波蟹を拐つて行きにけり ハードエッジ
故郷の月のおはぎを思ひつつ ハードエッジ
蓋あけて月の光のオルゴール ハードエッジ
真夜中の月夜の日本大使館 ハードエッジ
すやすやと草木の眠る月夜かな ハードエッジ
丑三つ時
明月はけふ明日はあしたなり ハードエッジ
言葉遊び
お日さまが遠くに消えてお月さま ハードエッジ
出番ですよ
主役交代
◎推敲過程
全然堂歳時記 秋 【月】
◎葉書俳句 表
以上です