開発素句報 2025-01 手毬ほどは弾んでやりぬお年玉

開発素句報 2025-01 「謹賀新年

◎葉書俳句

 

◎テキスト

衛星えいせいは天をめぐりて去年今年こぞことし ハードエッジ

衛星:
衛星は軌道に静止朴の花 加藤静夫
衛星を撃ち落とさんと流れ星 ハードエッジ
衛星が廻るよ廻る年の暮 ハードエッジ 2017 →おっと、自己模倣!類句チェックで見逃した
天心に静止衛星去年今年 ハードエッジ

燈台とうだい怒涛どとうべて初茜はつあかね ハードエッジ

怒涛:
雲海の音なき怒涛尾根を越す 福田蓼汀
身を罰するごとくに砕け冬怒涛 川名将義
あかあかと除夜の駅ある怒涛かな 小川軽舟

取りだすおびはさみしお年玉 ハードエッジ

取り出:
おもちや箱より春の星取り出しぬ 金子敦
袂より椿とりだす闇屋かな 多田道太郎

縞入れて縞取り出しぬ衣替 香田ちり
年寄のひよいと取り出す祭笛 ハードエッジ

納屋のもの取り出してあり冬仕度 上村占魚

袋から袋取り出し毛糸編む 右城暮石
湯豆腐の土鍋取り出す戸棚かな ハードエッジ
水餅を取り出すに灯は要らざりき 岡本眸

取り出す折目正しき絵双六 ハードエッジ

手毬てまりほどははずんでやりぬお年玉 ハードエッジ

弾んで:
声ほどは弾んでをらぬ神輿かな 山本一歩
石段に少しはずんで木の実落つ 菊地美智子

手に取りてしみじみ紙の年賀状 ハードエッジ

しみじみ:
春寒やしみじみ旨き通夜の酒 齋藤朝比古
しみじみと人のいのちの春寒き 久保田万太郎
泡消ゆる音しみじみと春の波 岸本尚毅

喜雨といふものつくづくとしみじみと ハードエッジ
手にとりてしみじみ青し蠅叩き 高野素十
しみじみと端居の端といふところ 鷹羽狩行
つくづくとしみじみと汝は羽抜鶏 鈴木鷹夫
しづくして青梅しみじみと青し 柴田白葉女
しみじみと月のなき夜の月見草 ハードエッジ

空腹の家路しみじみ秋の暮 ハードエッジ
しみじみと新酒噛みしめ通夜の客 白岩三郎

為すことの多ししみじみ日短か 星野椿
白湯一椀しみじみと冬来たりけり 草間時彦
冬至の日しみじみ親し膝に来る 富安風生

しみじみと年の港といひなせる 富安風生

初電車しみじみ知らぬ顔ばかり 津川絵理子

「鏡よ鏡」女王様の初鏡はつかがみ ハードエッジ

三が日あれよあれよと楽しけれ ハードエッジ

あれよあれよ:
死ぬ時はあれよあれよと石鹸玉 ハードエッジ
落凧のあれよあれよと水の上 清崎敏郎

あれよあれよ鳴子に鳥のとぶことよ 正岡子規

団欒のあれよあれよと蜜柑消ゆ ハードエッジ

左義長のあれよあれよと揚りけり 大石悦子

◎初案7句

不動なる静止衛星去年今年 ハードエッジ
三が日過ぎて漂ふ松の内 ハードエッジ
灯台の荒波染めて初茜 ハードエッジ
年玉を帯に挟みて待てりけり ハードエッジ
弾むもの手毬、年玉、寒雀 ハードエッジ
手に取りてつくづく紙の年賀状 ハードエッジ
シンデレラを映し出したる初鏡 ハードエッジ

 

◎推敲一覧/pdf

全57句

開発素句報 2025-01 推敲一覧

 

◎A4&葉書 推敲 原稿/pdf

全11枚

開発素句報 2025-01_推敲 原稿

 

◎A4&葉書 推敲 加筆/pdf

全11枚

開発素句報 2025-01 推敲 加筆

 

◎葉書俳句表側

 

以上です