全然堂歳時記 夏
【素麺】そうめん
◎葉書俳句
◎テキスト
素麺の入りし桐箱平べつた ハードエッジ
桐箱の句:
桐箱と云ふにあらねど桃の箱 ハードエッジ
桐箱にかるたの月日をさめあり 稲畑汀子
臍の緒の桐箱なゝつ七光 攝津幸彦
素麺に願ひの糸の如き赤 ハードエッジ
願ひの糸の秀句:
針子たち願の糸をとり~に 清原枴童
素麺に繙くといふ事始 ハードエッジ
春なら、
ひもとくや春のはじめの花むすび ハードエッジ
素麺の湯を沸かしつつ胡瓜揉み ハードエッジ
胡瓜揉みの自作:
手間暇と云ふにあらねど胡瓜揉み ハードエッジ
蛸足の肉の真白を胡瓜揉み ハードエッジ
舐めてみる手も塩味の胡瓜揉み ハードエッジ
胡瓜揉み昼餉も済んでしまひけり ハードエッジ
素麺を翻弄すべき湯の滾り ハードエッジ
煮え滾る湯に素麺を突き立てて ハードエッジ
素麺を冷やす蛇口の露まみれ ハードエッジ
素麺を茹で上げる水冷ます水 ハードエッジ
冷ますの名句:
温めるも冷ますも息や日々の冬 岡本眸
素麺の細く長くと流れ来る ハードエッジ
改案:
素麺を細く長くと流すなり ハードエッジ
印度人も素麺すする暑さかな ハードエッジ
インドの暑さは、
残暑とは皮のあまりし印度象 雪我狂流
素麺の細さを伊太利亜人が言ふ ハードエッジ
素麺に紅一点のさくらんぼ ハードエッジ
紅一点の秀句:
切手売る初髪の紅一点嬢 秋元不死男
素麺に箸休めなる西瓜かな ハードエッジ
夏痩の素麺腹となりにけり ハードエッジ
◎推敲過程
全然堂歳時記 夏 【素麺】
以上です