開発素句報 2020-04
早寝早起き
2月以来、5ヶ月ぶりの開発素句報です
結局、今年の春の開発素句報は発行できませんでした
◎葉書俳句
改訂版=頭3句推敲
◎テキスト
藪の樹や見られて鳴ける秋の蝉 飯田蛇笏
書いてゐる手紙見られてゐる炬燵 嶋田摩耶子
咳込むを人に見られてかなしけれ 菖蒲あや
股引をもう見られてもよき齢 伊藤伊那男
けものども人にみられて日脚のぶ 久保田万太郎
全山に滝の快楽の轟けり ハードエッジ
轟けりの秀句:
滝落ちて群青世界とどろけり 水原秋櫻子
積み上げし積木涼しく崩れたり ハードエッジ
積木が崩れる句は常套ではありますが、、、
推敲:<崩れて涼しけれ>→<涼しく崩れけり>→<崩れたり>
きっかけは、前句との連続「けり」回避策
結果的には、
「けり」の鋭さより、
「たり」の重さが積木っぽいような、、、
※ヒントになったマンガ:
倉田けい「息子と積み木」 感謝です
しみじみ名作
で、感動に浸っていたら、オチまであって手玉に取られました
息子と積み木 pic.twitter.com/a36qWMtS4z
— 倉田けい (@kurata_kei) July 13, 2020
積木秀句:
春雨の積木豪華な家作り 上野泰
宿の子の寝そべる秋の積木かな 田中裕明
隙間なく納まる積木冬隣 鶴岡加苗
さびしさは木をつむあそびつもる雪 久保田万太郎
姉絵本弟積み木日向ぼこ 上野泰
枯るる中ことりと積木完成す 高柳克弘
涼しく+動詞の秀句:
地球こそ其処に涼しく照るといふ 中村汀女
朝市のあとの涼しく掃かれけり 大串章
水底の砂の涼しく動くかな 長谷川櫂
面白く聞きて涼しく忘れけり 岸本尚毅
白涼し紫も亦涼しく着 星野立子
豆腐屋の早寝早起き冷奴 ハードエッジ
「や」が5つ!
豆腐屋秀句:
豆腐屋が一軒起きて水を打つ 阿部みどり女
豆腐屋が寄附を集めに秋祭 阿部みどり女
豆腐屋の早寝につもる夜の雪 関成美
四本の弾力に立つ鹿の子かな ハードエッジ
鹿の子秀句:
奈良へ来て鹿の子と遊ぶ一日かな 高濱年尾
鹿の子に小旗のやうな耳二つ 石川文子
うつとりと人見る奈良の鹿子哉 正岡子規
親と行くたそがれ顔の鹿の子かな 渡辺水巴
弾力秀句:
紙で包む枝の弾力桃の花 川崎展宏
セーターの黒い弾力親不孝 中嶋秀子
ついでに自作の弾力も、
一管の肉の弾力蚯蚓鳴く ハードエッジ
薄紅を今宵限りの月見草 ハードエッジ
今宵限りの秀句:
小雨なる今宵かぎりの阿波踊 上崎暮潮
この方の阿波踊り秀句:
足袋白く踊りはじめし阿波踊 上崎暮潮
指先のしなといふもの阿波踊 上崎暮潮
夕立の上るを待たず阿波踊 上崎暮潮
サングラス・ピアス・イヤホン・夏マスク ハードエッジ
前書の「○○年後には、、、なつますくって何ですか?」
何で「マスク」が平仮名かというと、
Excelの振仮名機能がタコ仕様のため
漢字や平仮名はOKなのに、
片仮名は強制的に平仮名に戻す謎仕様
ヒントはこのツイートでした 感謝
ピアスとマスク、そしてイヤフォンまでして、サングラスも掛けたいと思った夏の日、耳ってこんなにものを引っ掛けたりするものでしたっけ?耳の位置がここであるばっかりに都合良くフックとして利用されすぎでは??? と耳に同情した
— 塩谷 舞 mai shiotani 💭 (@ciotan) July 14, 2020
◎推敲過程
改訂分3句含まず
開発素句報 2020-04
◎葉書俳句初版
◎葉書俳句表面短信
以上です