全然堂歳時記 夏
【飲料 酒】
◎葉書俳句
◎テキスト
襷して新茶娘が駅前に ハードエッジ
注文の新茶を待てる釘煮かな ハードエッジ
色も香も新茶なりけり飲むべかり ハードエッジ
「飲むべかり」と言えば、
白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり 若山牧水
山葵漬なめて新茶をいれかへて ハードエッジ
ある時はカルピスも飲む麦湯かな ハードエッジ
行く夏やいくたび麦湯ふきこぼし ハードエッジ
置かれあるアイスコーヒー稲荷ずし ハードエッジ
女中頭アイス珈琲ひと口飲み ハードエッジ
うたかたのうすきみどりのソーダ水 ハードエッジ
注がれたる後の呟きソーダ水 ハードエッジ
ソーダ水深きところを吸はれをる ハードエッジ
上下逆転なら、
アイスコーヒー上より薄くなりゆける 上田信治
全体なら、
飲むたびに冷める珈琲額の花 鶴岡加苗
サイダーとラムネの差異を雲に聞く ハードエッジ
囚はれの身をからからとラムネ玉 ハードエッジ
「からから」の名句:
からからと雨戸を廻す杜若 長谷川櫂
からからと初湯の桶をならしつつ 高濱虚子
アイスクリーム食べさせてゐる古写真 ハードエッジ
幽霊は甘いアイスにとろけたり ハードエッジ
漁師町色あざやかに掻き氷 ハードエッジ
蚕豆は翡翠麦酒は琥珀なり ハードエッジ
夕焼が赤し麦酒の一杯目 ハードエッジ
生ビール過去も未来もほろ苦く ハードエッジ
冷酒や友の中なる酒の友 ハードエッジ
「酒の友」の名句:
大名に酒の友あり年忘れ 炭太祇
◎データベース画面
以上です