追記:振仮名&目次/2020.1.28
俳壇賞2018
落選作
◎葉書俳句
◎テキスト
春
古雪の解けて流れて消えてさて
飛花の山落花の谷と続きをる
花びらは箱根の山を越すつもり
鬨の声あげよ無頼の花篝
この先は闇へと続く桜かな
花の名の海に目出度し桜鯛
だぼ鯊の子を孕みたる日暮汐
蒲公英に地べたの冷ゆる夜なりけり
夏
初夏や肩甲骨を背に掲げ
田を植ゑて初めての夜来りけり
クロスワードパズルの中のさくらんぼ
改、クロスワードパズルの中のはな ぶき
早起きのお城を巡る捕虫網
金魚玉時の流れを聞かんとす
紫に黄を打つたる茄子の花
地の味は地味に滋味なる新牛蒡
秋
原つぱも喇叭も消えて秋の暮
鬼の子が稲妻捕りに顔を出す
鮭茶漬食ふや夜業の月高し
冬
落葉掻く花を掃きたる箒もて
置かれある落葉の籠に落葉ふる
落葉焚長い煙を上げにけり
朝起きて驚くは良し雪の庭
行く年やいくたび鍋を囲みても
新年
玉砂利の音に我らが初詣
火の鳥の大いなるかな吉書揚
冬
寒晴の雪のお城を見にゆかん
雪兎親の兎も作りやる
泥んこのラガー火の玉雨を駆く
福わあとふくらむやうに福は内
春
リボンして伴奏の子や卒業歌
◎画像
以上です