追加:拭ふ 塗る/2018.5.4
◎和語俳句、な行の「ぬ」です
◎抜く=ぬく
あたたかや抜けば用なき箸袋 上村占魚
春雨や抜け出たままの夜着の穴 内藤丈草
原爆ドーム仔雀くぐり抜けにけり 草間時彦
滴りの力抜けたるとき落ちぬ 正木ゆう子
遊船を連絡船が抜いてゆく 中本真人
稲雀汽車に追はれてああ抜かる 山口誓子
猫じやらしすくすく抜けて楽しいぞ ハードエッジ
自転車にちりんと抜かれ日短 齋藤朝比古
大寒の湯を抜かれたる湯舟かな ハードエッジ
葱抜くや土ぱらぱらと雪の上 南うみを
大根を抜きつ大根抜かれつつ ハードエッジ
淋しい幽霊いくつも壁を抜けるなり 高柳重信
◎拭ふ=ぬぐう
美しき五月の汗を拭はずに 鷹羽狩行
な泣きそと拭へば胼や吾子の頬 杉田久女
◎塗る=ぬる
春の日やポストのペンキ地まで塗る 山口誓子
金泥を塗られしごとき春の風邪 大木あまり
梅雨の闇小さき星は塗りこめて 福永耕二
白きもの白く塗り直されて夏 望月周
闘牛の刷毛で塗り込む薬かな 中本真人
薬塗るやうに冬日を背に当つる 岡本眸
その他のな行:
以上です