開発素句報 2022-08 「正倉院」
◎葉書俳句
◎テキスト
八月に日の満ち欠けの欲しきかな ハードエッジ
満ち欠け:
爽やかに月の満ち欠け初めから ハードエッジ
満ち欠けの欠けを楽しむ月とこそ ハードエッジ
吊橋の涼しき揺れと思へども ハードエッジ
揺れる涼しさ:
船揺れて瓶花傾く涼しさよ 高濱虚子
涼しさや帆をあけかゝる舟のゆれ 正岡子規
ゆきあうて揺れあふ舟や夕涼み 長谷川櫂
鉾揺れて涼しき雲のとべる空 高濱年尾
鉾の灯の高きは涼し揺れにける 岸風三楼
滝壺に晒して瀑布純白に ハードエッジ
白い瀑布:
大瀑布白き楼閣並べたり 山口誓子
落ちてなほ瀑布の白さ失はず 鷹羽狩行
幾重にも白布を重ね大瀑布 ハードエッジ
虫干に正倉院の匂ひかな ハードエッジ
正倉院:
しばらくは正倉院に鷹の天 斎藤夏風
向日葵は種の重さに俯きぬ ハードエッジ
俯く向日葵:
向日葵のやや俯向きに海荒ぶ 山口誓子
夕立の流れ激しき外野席 ハードエッジ
外野:
涼しさの外野席とはならざりし ハードエッジ
十月の雨のぱらつく外野席 西原天気
内野土埃外野はあかとんぼ 押野裕
工場野球外野手兵となりて戻らず 細谷源二
生ぬるき水道水や原爆忌 ハードエッジ
生ぬる:
椿散るあゝなまぬるき昼の火事 富澤赤黄男
雷兆す米櫃の中なまぬるき 岡本眸
生ぬるき風を送りて古団扇 星野高士
生ぬるき風に冷たき生麦酒 ハードエッジ
なまぬるきポストの口や原爆忌 内田美紗
精霊舟降ろすや海のなまぬるき 南うみを
やっかいなものをつかめばなまぬるい 笹田かなえ
◎推敲過程/テキスト
開発素句報 2022-08 推敲 テキスト◎推敲過程/葉書加筆
開発素句報 2022-08 推敲 葉書◎葉書俳句表側
以上です