冬 【小春】 百獣の王の瞑目小六月

全然堂歳時記 冬の部
【小春】こはる

全然堂歳時記=現在、本号を含め94記事=春夏秋冬–年末年始=29-21-20-17–3-4
/2023.11.23

子季語:小春日、小春日和、小六月

◎葉書俳句

 

◎テキスト

小春日の遠くに雪の富士の山 ハードエッジ

富士の山:
雪ながら霞もたつや不二の山 正岡子規
不二の山笑はねばこそ二千年 正岡子規
菜の花のとつぱづれなりふじの山 小林一茶
泳ぎ出でゝ日本遠し不二の山 久米三汀
草も木もわすれてしろし富士の山 会津八一
煤掃や二階に見ゆる富士の山 松根東洋城
元日や一系の天子不二の山 内藤鳴雪
元朝の見る物にせん富士の山 山崎宗鑑
天と地の支へ柱やふしの山 正岡子規

富士の山/自作:
遠足に原寸大の富士の山 ハードエッジ
うねうねと茶摘畑や富士の山 ハードエッジ
神無月白砂青松富士の山 ハードエッジ
静かさや初日を待てる富士の山 ハードエッジ
初刷をがばりとあけて富士の山 ハードエッジ

小春日のすでに一句をし思ひ ハードエッジ

一句:
その後の一句もなくて梅白し 阿部みどり女
桃の皮食へぬ一句を作りけり ハードエッジ
短日やこのいち日のこの一句 鈴木真砂女
一句二句三句四句五句枯野の句 久保田万太郎
風呂吹の一切づゝも一句かな 内藤鳴雪
柚子に添へ柚子湯の一句送りけり ハードエッジ
探梅の一句となりし紙懐炉 ハードエッジ
寒椿一句は赤し二句黒し 攝津幸彦
推敲を重ぬる一句去年今年 高濱虚子
初富士の一句を得たる目出度さよ ハードエッジ

小春日のそれは小さなエピソード ハードエッジ

それは:
永き日のそれは大きな欠伸かな 市堀玉宗
春風にそれは巨大な風車 ハードエッジ
裏切者それは見事に日焼けして 鈴木六林男
手花火のそれはまぶしき子どもかな 馬場龍吉
酔郷も梅酒のそれは仄かなり 相生垣瓜人
万緑にそれは小さな秘仏なり ハードエッジ
あっそれはわたしのいのち烏瓜 正木ゆう子
それはもう大きな栗のモンブラン 金子敦
雪の日のそれはちひさなラシャ鋏 中岡毅雄
雪の夜のそれは小さな赤ん坊 ハードエッジ
それはもう仮面の如きマスクなり ハードエッジ

小春日に立つは西向くさむらいか ハードエッジ
こんなにも小春日和の続くとは ハードエッジ
階段をいて降り来る小春かな ハードエッジ
座布団ざぶとんや小春日和の人を待つ ハードエッジ
ははそはの母に母ゐる小春かな ハードエッジ
小春日や勝利の如くばば二人 ハードエッジ
耳掻みみかきの先がくるつと小六月ころくがつ ハードエッジ
百獣ひゃくじゅうの王の瞑目めいもく小六月ころくがつ ハードエッジ
小春日のひざ日差ひざしや猫が邪魔じゃま ハードエッジ
小春日和洗濯せんたく日和もず日和 ハードエッジ
小春日に飛んで小虫の行方かな ハードエッジ
なにか良きことへ小春のありの列 ハードエッジ
切株の丸くて小春日和かな ハードエッジ
散り残るさくら紅葉もみじの小春かな ハードエッジ
小春日や枯れ行く草をあたためて ハードエッジ
小春日の緑の抜けし草の色 ハードエッジ
なつかしき落選展の小春かな ハードエッジ

 

◎初案20句

 

◎推敲過程/テキスト/pdf

全2枚/83句

全然堂歳時記 冬 【小春】テキスト推敲

 

◎推敲過程/A4プリント 原稿/pdf

全1枚

◎推敲過程/A4プリント 加筆/pdf

全1枚

 

◎推敲過程/葉書プリント 原稿/pdf

葉書俳句プリント原稿 全3枚

全然堂歳時記 冬 【小春】葉書推敲 原稿

 

◎推敲過程/葉書プリント 加筆/pdf

葉書俳句プリント加筆 全3枚

全然堂歳時記 冬 【小春】葉書推敲 加筆

 

◎葉書俳句表側

 

◎データベース画面/桐v10

◎小春秀句

抱き上げたくなりさう小春の地蔵さま 茂里正治
念力のゆるみし小春日和かな 高濱虚子
小春日のうたたね哀れ小傾城 会津八一
血縁といふ小春日の様なもの 星野椿
俗名と戒名睦む小春かな 中村苑子

人死んで犬もらはるる小春かな 小川軽舟
小春日やすこしふとりて父の死後 大石悦子
墓の辺の小春に甘え鳶も来て 古舘曹人
病む人の病む人をとふ小春哉 正岡子規
夜に入れば月も朧や小六月 高濱虚子

小春野や草花痩せて晝の月 正岡子規
水尾消えてまたさざなみの小春かな 村上鞆彦
武蔵下総山なき国の小春哉 夏目漱石
山々の小春盆地に町小さく 宮津昭彦
菊も菜の色に咲きたる小春哉 正岡子規

選ぶとて産着は真白小六月 鶴岡加苗
小春ともいひ又春の如しとも 高濱虚子
こんな日を小春と名付けたる人よ 神野紗希
ねがはくは小春のやうな句とこころ 河野静雲
十六ミリから~うつす小春かな 高木晴子

汀女ゐる小春日和の熊本へ 星野立子
小春日の母の心に父住める 深見けん二
おばちやんに飴ちやん貰ふ小春かな 金子敦
玉の如き小春日和を授かりし 松本たかし
出かけたく家居もしたく小六月 石井とし夫

行く先もきめず小春を誘ひ合ひ 安沢阿弥
小春日や循環バスに拾はれて 北原登美子
小春日や石を噛みゐる赤蜻蛉 村上鬼城
囮かけて人居らぬ野や小六月 正岡子規
捨てられし仔猫に小春日和かな 飯田龍太

小六月仮の名前の仔猫にも 飯田龍太
猫の毛のエレキ蓄ふ小春かな 松本たかし
小春日やにげた小鳥は何處の空 寺田寅彦
鳶高く鴉を笑ふ小春かな 正岡子規
牛の子や賣られて遊ぶ小六月 正岡子規

ライオンの欠伸小春をかみ殺す 佐藤郁良
小春日や虻蜂飛べるものは飛ぶ 山口青邨

 

◎未練句/補遺/在庫処理

うとうとと何処へ失せし小春かな ハードエッジ
折角の小春日和に風の出て ハードエッジ
小春日や終刊号は売切に ハードエッジ
膝に来て猫の眠れる小春かな ハードエッジ
掃き出せる塵よ埃よ小六月 ハードエッジ
小春日の猫を見やれば睨まるる ハードエッジ

以上です