春 【蒲公英1】 故郷に菫・蒲公英・紫雲英かな

全然堂歳時記 春の部
【蒲公英】たんぽぽ

全然堂歳時記=現在、本号を含め72記事=春夏秋冬–年末年始=23-9-17-16–3-4
/2023.2.23

子季語:鼓草つづみぐさ
人気成分:わた

 

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1枚1000円!

なお、
上記の画像をそのまま印刷しても、
同等品が再現可能です
鉛筆サインも直筆か印刷かは、
なかなか判別がつきません

その辺を御理解の上、
オリジナルをお買い上げください

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◎テキスト

一面に蒲公英の黄のぽぽぽぽぽ ハードエッジ

先行句:
たんぽぽのぽぽと絮毛のたちにけり 加藤楸邨
たんぽぽのぽぽのあたりが火事ですよ 坪内稔典
たんぽぽのぽぽぽぽぽぽとある日和 須佐薫子
ぽぽぽぽとたんぽぽの絮君に吹く 長谷川寛子
ポポポポとタンポポ笑う兎跳び 岸本マチ子

類句チェックが甘かったようで、
類句・先行句多目です
発覚したのが、葉書俳句印刷&サイン入れの後だったので、
内心忸怩たる思いはあるものの、
入替&再印刷の気力体力もなく、このまま刊行します
(目障りな1句目なんですね)

言訳:
しかし、添加物を最小限にして、
「黄」を強化しつつ、
下五を「ぽぽぽぽぽ」にして余韻を残すなど、
工夫の跡が見られるのではないか、、、

ぽぽぽ:
山刀伐や筒鳥ぽぽとぽぽぽぽと 黒田杏子
筒鳥やぽぽぽぽぽんと一日果つ 嶋田麻紀
筒鳥ポポポポ馬の足跡森出づる 村越化石
枇杷の子のぽぽぽとともるほの曇り 平井照敏
ライターの火がポポポポと滝涸るゝ 秋元不死男
胸のうちぽぽぽぽと年守る火か 川崎展宏

蒲公英や太陽にさち多かれと ハードエッジ

太陽/自作:
太陽の呵々大笑の暑さなり ハードエッジ
太陽のあらざる夏至の夜なりけり ハードエッジ
太陽の彼方なりけり雲の峰 ハードエッジ
太陽も捻り鉢巻ラムネ売る ハードエッジ
太陽系第三惑星夜長の灯 ハードエッジ
太陽は直視に耐へず曼珠沙華 ハードエッジ
太陽光パネル真つ黒日脚伸ぶ ハードエッジ
太陽と同じ丸顔雪達磨 ハードエッジ

蒲公英は向日葵ひまわりの黄を知らねども ハードエッジ

向日葵の黄:
向日葵の百人力の黄なりけり 加藤静夫
向日葵や黄といふ色は脳に染む 京極杞陽
色白といふ向日葵の黄もありぬ 後藤比奈夫

蒲公英を少しちやほやしてやりぬ ハードエッジ

ちやほや:
花種を指にちやほやさせて蒔く 檜紀代
烏瓜しばらくは手にちやほやす 伊藤白潮
家に来てちやほやされて新暦 ハードエッジ

故郷ふるさとすみれ蒲公英たんぽぽ紫雲英れんげかな ハードエッジ

国民学校国語教科書『よみかた 三』昭和16年

すみれ、たんぽぽ、れんげ草、
  花の おやねが 美しい。

  あま茶の 中から ひょっこりと、
お出に なったか、おしゃかさま。

たんぽぽもお地蔵じぞうさまも背の低き ハードエッジ

背の低/自作:
曼珠沙華一つ離れて背の低き ハードエッジ
背の低き銀杏があつて足を止め ハードエッジ
緑濃き冬菜畑や背の低く ハードエッジ
背の低き銀杏も落葉してをりぬ ハードエッジ

蒲公英も紫雲英れんげも読めぬ子が遊ぶ ハードエッジ

読めぬ:
通過する長閑な駅の名が読めぬ ハードエッジ
まだ読めぬ名札を付けて入園す ハードエッジ
利休忌や読めぬメニューの美しく 久野雅樹
夕焼は濃ゆけれどもう字が読めぬ 山口波津女
すでに書を読めぬ暗さの端居かな ハードエッジ
罠ありと狸に読めぬ札吊りし 村上杏史
ここにゐる誰もが読めぬ屏風の字 山口昭男
落葉明りに岩波文庫もう読めぬ 安住敦
その地名読めぬまま書く賀状かな 照屋眞理子

たんぽぽに地味じみすずめきたりけり ハードエッジ

地味/自作:
花種や地味な中にも色かたち ハードエッジ
派手な花に地味な種あり蒔きにけり ハードエッジ
高さうで地味な和服の涼しさよ ハードエッジ
文様の地味な恨みや火蛾の舞 ハードエッジ
地の味は地味に滋味なる新牛蒡 ハードエッジ
秋蝶や川原の色もやや地味に ハードエッジ

蒲公英に土龍もぐらの土の真つ黒な ハードエッジ

真黒:
まツくろに紅き月光椿かな 久米三汀
真黒に蟻の集りたる暑さかな 正岡子規
白シャツを脱いで真黒日焼の子 ハードエッジ
まつくろに夜を匂へる兜虫 西原天気
クレヨンの黒はまつ黒冬隣 小川軽舟
漢方の粒真黒に秋の風 富安風生
秋夕焼芯はまつくろかもしれぬ 夏井いつき
朝顔の薄茶の殻に種真黒 ハードエッジ
足裏の真黒なりける凍死かな 中本真人
まつくろに枯れて何かの実なりけり 高田正子

たんぽぽや切株きりかぶはまだ新しき ハードエッジ

まだ新:
雪解水切株のまだ新しき 木村みかん
刈草のまだ新しき湖畔かな 大串章
切り口のまだ新しき紐と薔薇 対馬康子
切干も金星もまだ新しく 大峯あきら
雪吊のまだ新しき繩匂ふ 穂坂日出子
芭蕉忌のまだ新しき冬帽子 岩淵喜代子

蒲公英や分厚ぶあつきものに防波堤ぼうはてい ハードエッジ

改案:
蒲公英や高く分厚く防波堤 ハードエッジ 2024.1.24

防波堤:
小漁港小防波堤囀れり 右城暮石
蒲公英や激浪寄せて防波堤 水原秋櫻子
防波堤越えし飛沫は蒲公英に 橋閒石
ほつれたる日傘の刺繍防波堤 伊藤麻美
防波堤裸子むれて鯖を釣る 水原秋櫻子

蒲公英やあじが干されてその日陰ひかげ ハードエッジ

干され/自作:
干されたる梅の形相必死なり ハードエッジ
毒だみの干され干されて十薬に ハードエッジ
星空に干されて柿の赤裸 ハードエッジ
皮付のままに干されて鵙の贄 ハードエッジ
その山の日に干されある茸かな ハードエッジ
冬のもの干されて長き足を垂れ ハードエッジ
寒風に吹かれ天日に干されある ハードエッジ
抜かれたる畑に干されて干大根 ハードエッジ

蒲公英を咲かせてみたき滑走路かっそうろ ハードエッジ

咲かせ:
はまぐりを咲かせて鍋の狭きかな 櫂未知子
これほどの椿咲かせて人嫌ひ 鎌田保子
枕辺に苺咲かせてみごもりぬ 篠原鳳作
菜の花を咲かせて春の蜜柑山 ハードエッジ
神父の家薔薇を咲かせて窄き門 鷹羽狩行
初場所や花と咲かせて清め塩 鷹羽狩行

蒲公英や通勤電車数珠じゅずつなぎ ハードエッジ

通勤:
燕や人に通勤通学路 ハードエッジ
夏草が伸びる通勤電車行く ハードエッジ

たんぽぽや線路の砂利じゃりびついて ハードエッジ

線路:
行間を線路と思う日永かな 大塚迷路
下萌や線路幽かに響き来し 橋閒石
線路から三尺離れ蒲公英黄 ハードエッジ
たんぽぽや線路へ掃きて厨口 岡本眸
秋雨や線路の多き駅につく 中村草田男
秋雨の線路は頭のみ光る ハードエッジ
線路まで伸びて夜なべの灯なりけり 菖蒲あや
路地に書く白き線路や鳳仙花 ハードエッジ
白き息賑やかに通夜の線路越す 岡本眸
日を浴びて線路も光る蜜柑山 ハードエッジ

中庭に蒲公英の咲く裁判所さいばんしょ ハードエッジ

裁判所:
快き暖房簡易裁判所 ハードエッジ

蒲公英や冬を越したる空店舗あきてんぽ ハードエッジ

冬を越す:
青々と山吹冬を越さんとす 前田普羅
絨緞の踏まれ踏まれて冬を越す ハードエッジ

蒲公英に地べたの冷ゆる夜なりけり ハードエッジ

夜なりけり:
花の冷え蛙も鳴かぬ夜なりけり 川端茅舎
三十度切つて涼しき夜なりけり ハードエッジ
扇風機切つて静かな夜なりけり ハードエッジ
うか~とふかして秋の夜なりけり 久保田万太郎
噛み殺す欠伸に長き夜なりけり ハードエッジ
菊の香の菊人形の夜なりけり ハードエッジ
短日に続く寒さの夜なりけり ハードエッジ
雪折も聞えて暗き夜なりけり 与謝蕪村

蒲公英のわたスカートの風に飛ぶ ハードエッジ

スカート:
陽炎やミニスカートがまた流行る ハードエッジ
スカートは落下傘に似風光る 宮坂静生
スカートにスカートの香や蝶の昼 ハードエッジ
初蝶やスカートのなか脚うごく 津川絵理子
スカートの一円を置きうまごやし 鷹羽狩行
スカートのはたはたしたる船遊 辻桃子

蒲公英のわたすべてをたくしけり ハードエッジ

託し:
畑打の仕上は雷に託しけり ハードエッジ
湯上りの子を初夢に託しけり ハードエッジ

◎推敲過程/テキスト/pdf

全1枚/39句

全然堂歳時記 春 【蒲公英】テキスト推敲

◎推敲過程/A4印刷+手書き/pdf

全3枚

全然堂歳時記 春 【蒲公英】A4推敲

◎推敲過程/葉書印刷+手書き/pdf

 

◎葉書俳句表側

◎データベース画面/桐v10

 

◎蒲公英秀句

たんぽゝもけふ白頭に暮の春 黒柳召波
蒲公英やローンテニスの線の外 正岡子規
蒲公英や姉より老けてよき妹 久米三汀
乳吐いてたんぽぽの茎折れにけり 室生犀星
たんぽぽの皆上向きて正午なり 星野立子
たんぽぽや日はいつまでも大空に 中村汀女
たんぽぽを折ればうつろのひびきかな 久保より江
たんぽぽの絮吹くときの目を細め 宇多喜代子
たんぽゝや一天玉の如くなり 松本たかし
あたたかくたんぽぽの花茎の上 長谷川素逝
蒲公英のかたさや海の日も一輪 中村草田男
たんぽゝや長江濁るとこしなヘ 山口青邨
たんぽぽの絮ふるさとを出奔す 青柳志解樹
風愉したんぽぽの絮少女の髪 草間時彦
蒲公英や日傘ころげて仰向けに 川崎展宏
たんぽぽの絮の円満具足かな 鷹羽狩行
顔じゅうを蒲公英にして笑うなり 橋閒石
たんぽぽの黄より激しき子を産めよ 櫂未知子
掬ひたしたんぽぽの黄の濃きところ 福神規子
たんぽぽの絮とぶ映画館跡地 齋藤朝比古
たんぽぽの絮吹き残る向うがは 上田信治
蒲公英や三つ揃ひ着てヘルメット 榮猿丸
たんぽぽに踏まるるつもりありにけり 山田露結
たんぽぽや地球征服したら暇 西生ゆかり

◎未練句/補遺

たんぽぽのうつらうつらと絮を欠く ハードエッジ
蒲公英やまばらなれどもしつかりと ハードエッジ
蒲公英の踏まれ易きも通学路 ハードエッジ
毎年よ落葉の道に蒲公英黄 ハードエッジ
蒲公英や母校へ続く通学路 ハードエッジ
たんぽぽの駅がみるみる遠ざかる ハードエッジ
たんぽぽの絮の飛びゆく港町 ハードエッジ
蒲公英や欅の芽吹くその根元 ハードエッジ

以上です