開発素句報 2022-06 立ち漕ぎ
◎葉書俳句
◎テキスト
太陽の呵々大笑の暑さなり ハードエッジ
呵々大笑/自己模倣系:
神々の呵々大笑の花吹雪 ハードエッジ
火達磨に呵々大笑の秋刀魚かな ハードエッジ
炎天下線香匂ふ家を過ぐ ハードエッジ
線香:
手に持ちて線香売りぬ彼岸道 高濱虚子
線香の灰に線香立てて秋 廣瀬直人
神に水仏に線香秋深む 阿部みどり女
線香の一本高く露けしや 星野立子
線香/自作:
線香に蚊取や花火などもあり ハードエッジ
長き夜を線香の火の沈みゆく ハードエッジ
長き夜を線香の灰曲り落つ ハードエッジ
線香の青き煙や秋深し ハードエッジ
虫の音も線香の火もやがて消ゆ ハードエッジ
学僧の夏痩せたるも頼もしき ハードエッジ
学僧:
触れてみたきは学僧の夏ごろも 澁谷道
塵なきを掃く学僧や鑑真忌 肥田埜勝美
どこへ行くにも立ち漕ぎの夏休 ハードエッジ
立ち漕ぎ:
自転車の立ち漕ぎに春惜しみけり 能村研三
鞦韆の周期変えんと立ち漕ぎす 中矢尚
空蝉や木の香失せたる木のベンチ ハードエッジ
木の香:
鉛筆を噛めば木の香や梅雨ながし 中村苑子
万緑や木の香失せたる仏たち 伊藤通明
新涼や木の香ほのぼの童子仏 山岸治子
ハンカチになほ旧姓の頭文字 ハードエッジ
旧姓:
旧姓といふ空蝉に似たるもの 辻美奈子
バイブルに残る旧姓クリスマス 千原叡子
賀状書くわが旧姓のおとうとへ 内田美紗
海の蛸畑の胡瓜と揉み和へり ハードエッジ
揉み合:
さらさらと揉み合ふ砂や蟻地獄 行方克巳
◎推敲過程/テキスト
開発素句報 2022-06 推敲 テキスト◎推敲過程/葉書加筆
開発素句報 2022-06 推敲 葉書◎葉書俳句表側
以上です