開発素句報 2021-03
遺髪/残暑見舞
◎葉書俳句
注記にある、
日暮えむ『新ひぐらし日記』の2021.8.7の記事リンクです
「本当のことなんて、言えるわけない」
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上記取消/2023.9.3
◎テキスト
打水に刹那の虹を賜りぬ ハードエッジ
参考句:
打水や虹を投出す大柄杓 正岡子規
打水の柄杓:
打水の桶に浮べる柄杓かな 篠原温亭
桶柄杓なくてホースの水を打つ ハードエッジ
母と読むおばけ絵本や蚊帳のなか ハードエッジ
蚊帳の母:
やはらかき母にぶつかる蚊帳の中 今井聖
次の間に母ゐてたのし蚊帳の子等 星野立子
蚊帳低し泣けば母来てくれるかも 岡本眸
子は母のものか母呼ぶ蚊帳の中 石塚友二
母を呼ぶだけで楽しき蚊帳の中 ハードエッジ
暑さなど残らず捨てて秋よ来い ハードエッジ
残らず:
泡は手に長く残らず昭和の日 櫂未知子
東海道のこらず梅になりにけり 夏目成美
雪舟は多くのこらず秋螢 田中裕明
落る葉は残らず落ちて昼の月 永井荷風
いつしかに悔も残らず菊枯れし 中村汀女
枯菊を残らず刈りて春を待つ 阿部みどり女
苦しまず死せりと遺髪終戦日 ハードエッジ
遺髪:
なまなまと白紙の遺髪秋の風 飯田蛇笏
遺髪となる髪をのばさむ草の花 大木あまり
絵日記もその子も燃えて終戦日 ハードエッジ
絵日記:
捕はれて絵日記になる兜虫 津田清子
絵日記の白を広げて日焼の子 ハードエッジ
杜氏来て月をあげたる新酒かな ハードエッジ
杜氏:
新酒上りて安堵の杜氏と夕餉かな 野村泊月
大寒や杜氏の白衣吊れる釘 辻桃子
杜氏寝てをるや蒲団の盛り上り 高野素十
湯気の濃きあたりが動き寒杜氏 今瀬剛一
太陽系第三惑星夜長の灯 ハードエッジ
◎推敲過程
開発素句報 2021-03
◎葉書俳句表側
以上です