全然堂歳時記 類題
【髪】かみ
髭を含む
◎葉書俳句
◎テキスト
春
雪解川たてがみ白くなびかせて ハードエッジ
先行句:
冬濤の白きたてがみ日本海 林徹
針山に母の黒髪針供養 ハードエッジ
針山の秀句:
針山に休める針や冬の雨 利普苑るな
「母と髪」の四季:
黒髪の母より知らず沈丁花 利普苑るな
母あはれ帰省子迎ふ髪たばね 岸風三楼
秋風に母が髪梳く鏡の傷 寺山修司
しぐるるや母の少なき髪梳けば 金子敦
木の葉髪母に糸屑つき易し 宮坂静生
黒髪を輪ゴムで止めて桃の花 ハードエッジ
「黒髪は」がいいか、まだ迷ってる
そよ風に髪そよがせて五月来ぬ ハードエッジ
柄にもなく擬人法の五月
吹かれついでに、
そよ風に吹かれ薄暑の旅へかな ハードエッジ
ならば、流れる曲は、
マージョリー・ノエル「そよ風にのって」
夏
薫風に赤子の髪の逆立てる ハードエッジ
さして量もないのに結構長かったりします
白髪の目元涼しき日焼人 ハードエッジ
日焼に対して髪と目でかえって、ごたついたかも
参考句:
日焼人帽子目深に髭白し 高濱虚子
日焼と目の旧作:
ぱつちりと目の玉ふたつ日焼の子 ハードエッジ
目口鼻あることはある日焼の子 ハードエッジ
秋
髪洗ふ背にありありと天の川 ハードエッジ
※twitter発表時から推敲
黒髪の闇に流るる蛍の夜 ハードエッジ
髪と蛍の名句:
髪長き螢もあらむ夜はふけぬ 泉鏡花
旧字体「螢」のおどろな感じ
おかつぱの黒髪に花盆踊 ハードエッジ
手を当てて髪のあつさや秋桜 ハードエッジ
髪とあつさでは、
ただ居りて髪をあつがる遊女かな 八十村路通
気に入らぬ髪結直すあつさ哉 永井荷風
さらに、あつさが募ると、
秋晴に我焦げてをる匂ひする 星野立子
曼珠沙華枯れゆく髪の乱れかな ハードエッジ
別案:
黒髪と変じ枯れゆく曼珠沙華 ハードエッジ
髪乾くまで月の出を待たせある ハードエッジ
「待たせある」旧作:
歌留多会雪の俥を待たせある ハードエッジ
冬
爺婆の白髪めでたし七五三 ハードエッジ
ふる雪や白布に巻かれ髪切らる ハードエッジ
今どきの床屋なら色物、縞、柄物もあるでしょうが、
ここでは白布
イメージとしてはてるてる坊主ですが、
強引に雪に埋もれた感じで
外では白い雪が舞っているのに対し、
室内では黒い!髪がはらはら落ちる対照の妙!!
私の頭からはちょっと出てこないイメージですが、
実は、本歌取りです
本歌:
西日受く切られし髪の真中に座し 相子智恵
この句いいなあ、じゃあ、西日でない場合はどうだろう、、、
と、安直に西日は夏→冬なら雪、の連想で作句しました
相子さん、ありがとうございました
銀髪や赤いコートをひるがへし ハードエッジ
色の対比は私の常套手段です
鬣の如き銀髪雪女郎 ハードエッジ
新年
黒髪の長からねども歌留多会 ハードエッジ
髭
母と子の髭むつまじく猫眠る ハードエッジ
足長の飛蝗なれども髭短か ハードエッジ
泡立ててサンタの髭や子に分つ ハードエッジ
◎登録画面/桐v9
以上です