改:厚氷/2019.1.9、追記:割烹着3句/2019.1.9
ペアリング37
◎白髪人
雲に入る飛花や花守白髪に 大野林火
白髪のすでに日焼けし牡丹守 森澄雄
◎着脱
割烹着脱げば晴着や針供養 池上浩山人
梅雨の人コートをぬげば服白き 星野立子
バーバリーコートを脱げば喪服かな 加藤静夫
コート脱ぎ現れいづる晴著かな 高濱虚子
美しや春著の上の割烹着 ハードエッジ
割烹着やうやく脱いで初鏡 吉屋信子
◎よくぞよくぞ
夕すずみよくぞ男に生れける 宝井其角
初空やよくぞ鴉に生れたる 岸本尚毅
◎忘却漢字
暑に負けてみな字忘れて仮名書きに 星野立子
忘じたる漢字は仮名に冬籠 ハードエッジ 2018
◎急ぐもの
萩散つて地は暮れ急ぐものばかり 岡本眸
身のほとり枯れいそぐものばかりかな 安住敦
◎書籍の冬
兵糧のごとくに書あり冬籠 後藤比奈夫
冬籠万巻の書を守るごとし 山田みづえ
◎口が裂けても
鮟鱇の口が裂けても言へぬなり 安住敦
闇汁に口が裂けても言へぬもの ハードエッジ 2018
◎裏模様
大榾をかへせば裏は一面火 高野素十
裏側は生れて間もなき厚氷 ハードエッジ 2019
◎新春西日
初春や明るきままに日は西に 岸本尚毅
日は早も西に傾く寝正月 ハードエッジ 2018
◎新年の街
初明り街は未完の絵のごとし 片山由美子
初明りいま組み立てたやうな街 佐藤郁良
以上です