【壁】 室外機涼しき部屋のすぐ外に ハードエッジ

俳句類題 名詞

【壁】かべ

 

◎隔て

花冷はなびえも雨もホテルの窓の外  稲畑汀子いなはた ていこ

壁ひと雨をへだつや花あやめ  上島鬼貫    おにつら

 

室外機しつがいき涼しき部屋のすぐ外に  ハードエッジ

 

硝子戸がらすどの中の句会や漱石忌そうせきき  瀧井孝作

硝子戸のすぐそこにある氷柱つららかな  ハードエッジ

硝子戸の外に置かれて雪兎ゆきうさぎ  ハードエッジ

硝子戸の中の正月水仙花すいせんか  ハードエッジ

 

 

◎すれすれ

雪解ゆきどけしずくすれすれに干布団ほしぶとん  高濱虚子たかはま きょし
  「しずくすれすれ」なら7音なのに、
  (スレスレ感もあるのでは?)
  わざわざ8音の
  「しずくすれすれに」です

  「雫」と「つゆ」と読ますのは強引でしょう

  私には、8音のメリットが解らなかったのですが、
  以下の記事を参考にしてください
  →本井英「花鳥諷詠心得帖28 三、表現のいろいろ-4- 「字余り(中七)」」

 

 

◎接触

金網かなあみに吹付けらるる雨の薔薇ばら  京極杞陽きょうごく きよう

金網に吹きつけらるる野菊かな  岸本尚毅    なおき

金網にボールがはまり冬紅葉ふゆもみじ  川崎展宏    てんこう

 

 

◎素通り

金網をくぐりし孕雀はらみすずめかな  津高里永子

原爆げんばくドーム仔雀こすずめくぐり抜けにけり  草間時彦

ほろほろと雨吹きこむや青簾あおすだれ  正岡子規  しき

網戸あみどから吹き込む雨となりにけり  ハードエッジ

動物園おりの中まで小鳥来る  金子敦    あつし

凍鶴いてづるの檻に降り込む雨となり  岸本尚毅   なおき

 

以上です