天井に届く悲しみ涅槃絵図
さくらんぼ美しき血を絶やさずに
よく遊びよく学ぶべき秋のチョコ
俳人、葉書俳句「開発素句報」「全然堂歳時記」発行人。
公募展、涙の落選供養
天井に届く悲しみ涅槃絵図
さくらんぼ美しき血を絶やさずに
よく遊びよく学ぶべき秋のチョコ
妙齢の箸が転げて春の旅
風薫る本の中からその書評
大根があれば何とか成りさうな
もう一度子猫になつて会ひに来よ
健気なりコンクリートも大根も
着飾りて詩歌の国の歌留多会
あと一つ咲けば百なる白椿
筍や客人はまだ寝てをられ
柿たわわ日本の村の滅びつつ
花びらは箱根の山を越すつもり
行く年やいくたび鍋を囲みても
火の鳥の大いなるかな吉書揚
紅白の梅の匂へる神の里
塩辛に烏賊や鰹や夏始
ギター背に枯木の中を帰りけり
春昼の積木崩しの悲鳴らし
裸子の水に飛び込む水しぶき
月雪をさまよふ花の絵双六
客布団黴を寄せじと絢爛に
白狐もとより踊上手なり
女の神も乗せて目出度し宝船
子鯨も乳呑むころか朧月
白狐もとより踊上手なり
女の神も乗せて目出度し宝船