NHK文芸選評 2024 落選供養 水仙を生けて終りぬ年用意

NHK 文芸選評 2024

2024年は1回も入選できませんでした、全没!
それ以前、過去の栄光はこちら
落選作

兼題と選者の方々:
  厳しいご指導に感謝申し上げます

春の風/池田澄子先生
公魚/小林貴子先生
アスパラガス/北大路翼先生

バナナ/榮猿丸先生
蝸牛/小野あらた先生
蟬/井上弘美先生
蟻/藤井あかり先生

霧/星野高士先生
流れ星/髙柳克弘先生

雪達磨/村上鞆彦先生
鶴/西村麒麟先生

年用意/小林貴子先生

NHK文芸選評の全落選句はこちらです 

◎葉書俳句

プリンタのクリーニングを執拗に行った結果、
「廃インク吸収パッド満杯」エラーになりました
即日、ヨドバシに注文して、
翌日配送の明日/2.23 に届く予定です
しばし、お待ちください/2025.2.22

 

 

◎テキスト

姉に吹き妹に吹く春の風 ハードエッジ

公魚わかさぎは氷のやみに産卵す ハードエッジ

産卵:
蚕の蛾産卵の羽ふるひつつ 長谷川櫂

産卵の蟇に夜明けの月あかり 飯田龍太

自動車解体こほろぎ産卵管を地へ 宇佐美魚目
産卵を強ひるが如く石榴割る ハードエッジ

産卵ののちに賜わる屍に雪 宇多喜代子
産卵のはげしき雪の帝都かな 江里昭彦

アスパラのガスと歌会始うたかいはじめなら ハードエッジ

さつちやんの遠くへゆきしバナナかな ハードエッジ

『サッちゃん』作詞:阪田寛夫/作曲:大中恩
「サっちゃん」/Wikipedia

船の旅バナナの皮は海へ投ぐ ハードエッジ

まさかの先行句発見/2025.2.17:
ジヨツキ泡立ちバナナの皮は舷外へ 日野草城

バナナの皮:
川を見るバナナの皮は手より落ち 高濱虚子
先づ半ばまでのバナナの皮を剥く ハードエッジ
ぐつたりとバナナの皮が役目終ふ ハードエッジ

青バナナ黄色にじゅくし黒につ ハードエッジ

黒と黄:
なきがらの蜂に黄の縞黒の縞 橋本多佳子

白も黄も蝶は小さし黒揚羽 ハードエッジ
黒きまで青し黄になるまでの柚子 後藤比奈夫

露まみれ毛虫の黒黄伸びちゞみ 川崎展宏
白黒の間の黄色終戦日 ハードエッジ

ふる雪に鯉は白黒赤黄金 ハードエッジ

紅白に黄金に黒に食積や ハードエッジ

ガラス戸にブロックべいにかたつむり ハードエッジ

硝子戸:
硝子戸にゝ(ちゅ)と雨粒や桃の花 辻桃子

硝子戸のハンカチ剥がし今日為すこと 細川加賀
硝子戸を開けて網戸が顔の前 岸本尚毅
硝子戸のでんでん虫を裏見かな ハードエッジ
硝子戸の守宮の腹の息づける 上村占魚

家建ちて硝子戸入るゝ枯野かな 渡辺水巴
硝子戸にはんけちかわき山眠る 久保田万太郎
硝子戸のすぐそこにある氷柱かな ハードエッジ
ガラス戸の遠き夜火事に触れにけり 村上鞆彦
硝子戸の中の幸福足袋の裏 細見綾子
硝子戸を開きて海へ鬼やらふ 山口波津女
硝子戸の外に置かれて雪兎 ハードエッジ
ガラス戸に描かれてメリークリスマス 行方克巳
硝子戸の中の句会や漱石忌 瀧井孝作
硝子戸の中の正月水仙花 ハードエッジ

血の通ふ蝸牛かぎゅうからと聞かさるる ハードエッジ

血の通:
血のかよふ働き蟻の手足かな ハードエッジ
能面に血の通ひ出す雪の夜 吉田輝二
凍鶴の血の通ふとも見えぬ脚 山口速
血の通ふ硬き足あり鶴立てる ハードエッジ

油蟬あぶらぜみに油のつやはなかりけり ハードエッジ

油+油:
穀雨かな醤油を辣油が取り巻いて 池田澄子
醤油辣油酢の向き揃ふ冬至かな 阪西敦子

水田に落ちておぼるるせみもあらむ ハードエッジ

溺る:
両手あげて母と溺るる春の川 八田木枯
花芯ふかく溺るる蜂を見て飽かず 木下夕爾

旱魃の草に溺るる水位標 中村翠湖
水撒いて蟻おぼるるをたのしめり 臼田亞浪
身を投げて溺るる如し籐寝椅子 ハードエッジ
ほとけの水に溺るゝ蟻を出してやりぬ 林原耒井
ががんぼの溺るるごとく飛びにけり 棚山波朗

鵙の贄空におぼるるごとくあり 小滝肇

こがらしや砂糖に溺る砂糖匙 宮坂静生

わらんべの溺るゝばかり初湯かな 飯田蛇笏

日の差さぬ女王の部屋ありの国 ハードエッジ

日の差:
荒梅雨の日の差すときはつよく差す 宮津昭彦
日の差さぬ蟻の巣に住み黒づくめ ハードエッジ

駅立てば席に日の差す刈田かな 小川軽舟

立冬の日の差してゐる滑り台 北大路翼
日の差して氷柱の映る障子かな 手塚金魚
三島忌や空のプールに日の差して 片山由美子

葉おもても葉うらもれてきりの木々 ハードエッジ

霧と木:
海霧深く灯台といふ木偶坊 行方克巳
夏霧に消ゆる木のありその葉音 望月周

夜霧とも木犀の香の行方とも 中村汀女
木々に霧流れ草木に露のあり 高木晴子
大木を伐るこしらえや霧の中 西山泊雲
山の湯や霧に蒸されて木々の苔 寺田寅彦

夕霧ゆうぎりを押へ込みたる夜霧よぎりかな ハードエッジ

押へ込:
角切や鹿の命を押へ込み ハードエッジ
勝独楽の勢ひを手でおさへこむ 大堀柊花

大仏の鋳造ちゅうぞうすすむ流れ星 ハードエッジ

さびしさに流星りゅうせいむれをなせりけり ハードエッジ

寂しい星:
旅さびし汐満つ音と春の星 中村汀女

人住まぬ星は寂しや天の川 ハードエッジ
星飛んであとは淋しき野分哉 正岡子規
淋しさや花火のあとを星の飛ぶ 正岡子規
この星のさびしき秋を昼寝して 長谷川櫂
この星を朝顔の咲くさびしさよ 土井探花

星よりも人の淋しき冬夜かな 徳永夏川女
さびしさは星をのこせるしぐれかな 飛鳥田[れい]無公

雪だるま大きな顔をしてをりぬ ハードエッジ

大きな顔:
牛の子の大きな顔や草の花 高濱虚子

くずれゆくおれ河原かわら雪達磨ゆきだるま ハードエッジ

『船頭小唄(枯れすすき)』歌:倍賞千恵子/作詞:野口雨情/作曲:中山晋平
「船頭小唄」/Wikipedia

長きものキリンの首とつるの足 ハードエッジ

鶴の足:
泥濘を掴み上げたる鶴の足 小澤佳世子
ぴしぴしと氷り初めたる鶴の足 ハードエッジ
飛んで来て水に突き刺す鶴の足 ハードエッジ

年末

洗ふ切るみが年用意としようい ハードエッジ

切+洗:
洗面の水の切れ味山ざくら 鷹羽狩行
吾子の髪少し切らばや洗ひやる 星野立子
研ぎ洗ひ切り剥き刻み冬はじめ 南十二国

切+掃:
この枝も伐らんと思ふ墓掃除 星野椿
炭切りの跡は掃かれて冬の雨 永井龍男

掃+磨:
拭いても磨いても老いていく鏡 富永鳩山

水仙すいせんけて終りぬ年用意としようい ハードエッジ

終りぬ:
己が傷を舐めて終りぬ猫の恋 清水基吉
ストローの鳴りて終りぬソーダ水 渡邊径草
薄き幕引きて終りぬ夏芝居 小林春水
始まりのなくて終りぬ宵祭 土橋たかを
闇に始まり闇に終りぬ聖夜劇 高野ムツオ

 

◎初案20句

啓蟄や女王蟻は穴の中 ハードエッジ
兄弟も姉いもうとも春の風 ハードエッジ
公魚の氷の湖に差す日かな ハードエッジ
アスパラのガスは霞か雲かなあ ハードエッジ
ガラス戸にブロック塀にかたつむり ハードエッジ

冷血の通ふ蝸牛の殻と聞く ハードエッジ
水田に溺るる蟬もあるならむ ハードエッジ
胡麻油匂へり油蟬は鳴き ハードエッジ
船の旅バナナの皮は海へ捨つ ハードエッジ
青バナナやがて黄色にそして黒に ハードエッジ

さつちやんも今はバナナを一本か ハードエッジ
夕霧のさまよひをれば夜霧かな ハードエッジ
葉表も葉裏も濡れて木々の霧 ハードエッジ
寂しさに群をなしたる流れ星 ハードエッジ
大仏の鋳造現場流れ星 ハードエッジ

流れ行く川を見てゐる雪だるま ハードエッジ
雪だるま大きな顔をしてをりぬ ハードエッジ
キリンより短かかりける鶴の足 ハードエッジ
水仙を生けて終りし年用意 ハードエッジ
洗ふ拭く切る掃く磨く年用意 ハードエッジ

 

◎推敲句一覧/pdf

全100句/3枚

文芸選評 落選供養 2024

 

◎葉書俳句表側

 

◎データベース画面/桐v10

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