開発素句報 2023-08 秀句あれ運動会は晴れ渡り

開発素句報 2023-08 「塩水

◎葉書俳句

 

◎テキスト

秀句あれ運動会は晴れ渡り ハードエッジ

晴れ渡:
行く秋へ推敲進むチョコレート ハードエッジ
麦秋の空は冷たく晴れわたり 小川軽舟
晴れ渡る夜を喜び流れ星 ハードエッジ
颱風一過パンパカパーンと晴れわたり 高澤良一
山茶花の散るにまかせて晴れ渡り 永井龍男
数へ日をどこ吹く風と晴れ渡る ハードエッジ
年の瀬の三日つづきて晴れわたり 細見綾子

秋晴のマンション写真撮れさうな ハードエッジ

マンション:
マンションの昼の閑けさ花水木 鶴岡加苗
マンションの又も建ちたる西日かな ハードエッジ
マンションの木々みな若し愛鳥日 津川絵理子
花火が見えるマンションの説明会 今村豊
マンションの干蒲団みな白き舌 山口誓子

桜紅葉桜黄葉とうち混じり ハードエッジ

うち混:
うち交る草も見覚え土筆籠 中村汀女
夏期講座善男善女うち混じり ハードエッジ
蝉時雨他の流派もうち混じり ハードエッジ
秋風や人と羊のうちまじり 大木あまり
柚子味噌やひとの家族にうちまじり 岡本眸
蝙蝠と秋の燕とうちまじり 岸本尚毅
灰撒くや焦げし木の実をうち混ぜて 南うみを
寒念仏在家の僧もうちまじり 山田みづえ
宝ぶね大船小舟うち混り ハードエッジ

塩水に漬けて錆びざる林檎かな ハードエッジ

漬けて:
吾が漬けて吾が嗜まむ梅酒かな 大橋敦子
梅漬けて赤き妻の手夜は愛す 能村登四郎
梅漬けて一村眠くなりしかな 神蔵器
紫蘇漬けてよりの月日を冬と呼ぶ 加倉井秋を
風の日の茎漬けてゐる女かな 高濱虚子
寮母とし沢庵漬けて幾年ぞ 三村純也
余生なほ人に預けず菜を漬けて 鈴木真砂女

流星や大きな本は子の絵本 ハードエッジ

絵本:
あたたかや絵本見る児のひとりごと 福田蓼汀
兄入学兄の絵本を読んでをり 上野泰
避暑に来て絵本読まされどほしかな 森田峠
冬ぬくし絵本の厚き一頁 鶴岡加苗
絵本と散らばる甥よ姪よ風邪ひくな 菖蒲あや
姉絵本弟積み木日向ぼこ 上野泰
日向ぼこ歯型のついてゐる絵本 西山ゆりこ
せがまれて字のなき絵本読始 嶋田一歩
他国見る絵本の空にぶら下り 阿部完市

絵本/自作:
春の雲絵本の一字一字かな ハードエッジ
絵本より教科書小さし入学す ハードエッジ
母と読むおばけ絵本や蚊帳のなか ハードエッジ
秋の夜の絵本めでたしめでたしと ハードエッジ
雪の夜の閉ぢて絵本は板の如 ハードエッジ
手袋で好きな絵本を撫でてをる ハードエッジ

船外に泳ぎ遊ぶや天の川 ハードエッジ

船外:
宇宙船船外作業着膨れて ハードエッジ

行く秋へ推敲進むチョコレート ハードエッジ

推敲:
独り句の推敲をして遅き日を 高濱虚子
推敲の夜長とも秋深しとも ハードエッジ
推敲のまつただなかの稲光 金子敦
推敲や一間隔てて母の咳 若井新一
推敲を重ぬる一句去年今年 高濱虚子

 

◎推敲過程/テキスト/pdf

全27句

開発素句報 2023-08 テキスト推敲

 

◎推敲過程/A4 原稿/pdf

なし

 

◎推敲過程/A4 加筆/pdf

なし

 

◎推敲過程/葉書俳句 原稿/pdf

葉書俳句プリント原稿 全3枚

開発素句報 2023-08 葉書原稿

 

◎推敲過程/葉書俳句 加筆/pdf

なし

 

◎葉書俳句表側

 

以上です