開発素句報 2023-02 「ががんぼマンボ」
◎葉書俳句
◎テキスト
木に白と書いて柏や柏餅 ハードエッジ
柏餅:
裏庭の柏大樹や柏餅 富安風生
柏餅九州弁に古格あり 小川軽舟
大皿に向きを揃へて柏餅 小圷健水
味噌餡は裏葉包みに柏餅 藤村克明
女から生まれる男柏餅 中田剛
柏餅父の湯呑の大いなる 吉屋信子
弟も兄も逝きたる柏餅 亀田虎童子
はらからの老いはわが老い柏餅 渡辺立男
子規若く虚子なほ若し柏餅 ハードエッジ
珈琲に負けてはならじ柏餅 ハードエッジ
骨あまたぐいと曲げたる梅雨の傘 ハードエッジ
曲げた:
蚊柱を吹いて曲げたり木曾の風 宇佐美魚目
夕虹に蜘蛛の曲げたる青すゝき 飯田蛇笏
炎帝に臍を曲げたるヘボ胡瓜 ハードエッジ
延べ棒を曲げたる音叉水の秋 ハードエッジ
その尻をきゆつと曲げたる秋茄子 清崎敏郎
打ちそこねた釘が首を曲げた 尾崎放哉
毒だみに万のアンテナ雨に立つ ハードエッジ
アンテナ:
巣箱より高きアンテナにも止る ハードエッジ
アンテナにとまる鳥あり柿若葉 吉岡禅寺洞
アンテナは屋根に寂しや月今宵 ハードエッジ
柿の木もなくアンテナの鴉かな ハードエッジ
金銀は龍宮城の海月なり ハードエッジ
金銀:
脇差の金銀光る男雛かな 押野裕
花御堂金銀の蛾の歩きゐる 岸本尚毅
本堂に金銀の蓮鳥の恋 和田耕三郎
人間に髪の金銀プール澄む 赤松蕙子
蛾つまめば金銀の粉ちらしけり 阿部みどり女
金銀の色よ稻妻西東 正岡子規
金銀のほか白もまた菊の賞 右城暮石
大寒や死へ金銀の花ざかり 中尾寿美子
金銀の紙ほどの幸クリスマス 澤木欣一
金銀刷り男盛りの賀状来る 大川富美代
ある時は大緑蔭に雨宿り ハードエッジ
雨宿り:
青空も見えて若葉の雨宿り ハードエッジ
雨宿りできぬ冬木となりにけり ハードエッジ
寝返りの日本列島梅雨籠 ハードエッジ
寝返り:
寝返りし子の片頬の雛明り 今瀬剛一
寝返りのこちら向きなる寝釈迦かな ハードエッジ
寝返りもなくて昼寝の蹠見せ 高濱年尾
寝返りを打ちてそろそろ昼寝覚め 稲畑汀子
寝返りてなほ颱風のさ中なり 山口波津女
地の中に寝返りを打ち春を待つ ハードエッジ
寝返りて咳寝返りて咳夜明けまで 中井亜由
咳き込まぬやうに寝返りしたつもり ハードエッジ
掛声はウー、ががんぼマンボ、ウー ハードエッジ
参考句:
ウーと出てマンボと続く潮干狩 佐山哲郎
汗垂れて庶民モツ喰ふヘイ・マンボ 岸田稚魚
◎推敲過程/テキスト
開発素句報 2023-02 推敲 テキスト◎推敲過程/葉書加筆
開発素句報 2023-02 推敲 葉書◎葉書俳句表側
以上です