年末 【行く年】 行く年やいくたび鍋を囲みても

取り敢えず、年内アップ
年明けにあれこれ補足の予定、、、よてい、です (^_^;;;
【年末集】を旧版へ移動。記事数が1減/2023.1.3

全然堂歳時記 年末の部
【行く年】ゆくとし

全然堂歳時記=分類修正後、本号を含め67記事=春夏秋冬–年末年始=21-9-17-16–3-1
/2023.1.3

子季語:

◎葉書俳句

◎テキスト

行く年のその足音を聞かんとす ハードエッジ
行く年に歩調ほちょうを合はすでもなくて ハードエッジ
行く年やバックミラーの曲面きょくめんす ハードエッジ
行く年のぶらんこに乗る人もなし ハードエッジ
行く年の袋小路ふくろこうじの三輪車 ハードエッジ
行く年の日は沈みつつしお ハードエッジ
年行くや大きな橋に灯をともし ハードエッジ
行く年の大渋滞だいじゅうたいや橋の上 ハードエッジ
ゆく年が今ゆふやけてゐるところ ハードエッジ
行く年やいくたびなべを囲みても ハードエッジ
ゆく年や湯に湯加減ゆかげんはれをる ハードエッジ
行く年の机の上の空地かな ハードエッジ
行く年の窓開けてみるめる ハードエッジ
行く年ややみに消え行く焚火たきびの火 ハードエッジ
行く年の遠ざかるまで火をけり ハードエッジ
行く年に持たせやりたや雪のかさ ハードエッジ

◎推敲過程/テキスト/pdf

 

◎推敲過程/A4印刷+手書き/pdf

◎推敲過程/葉書印刷+手書き/pdf

 

◎葉書俳句表側

◎データベース画面/桐v10

◎行く年秀句

行年や歴史の中に今我あり 高濱虚子
ゆく年を黒衣の僧と思いけり 久保純夫
行年や夕日の中の神田川 増田龍雨
年行くと山に夕日のさすばかり 岡田日郎
あかあかと火を焚き年を歩ましむ 野澤節子
年送る大焚火とはなれりけり 久保田万太郎
焚火して年の行方を見てをりぬ 森澄雄
行年や水輪のかぎりなき円に 平井照敏
苔厚き水掛不動年歩む 岩崎照子
ゆく年やしめきりてきく風の音 久保田万太郎
ゆく年の海よくみゆる部屋にあり 久保田万太郎
ゆく年やしきりに岸へいどむ波 久保田万太郎
行く年や石にくひつく牡蠣の殼 正岡子規
年は唯々黙々として行くのみぞ 高濱虚子
年行くと吹き納めたる笛袋 長谷川櫂
行く年や先のほつれし栞紐 金子敦
年を以て巨人としたり歩み去る 高濱虚子
ゆく年やむざと剥ぎたる烏賊の皮 久保田万太郎
一つづつ食めば年逝くピーナッツ 森澄雄
ゆく年や山にこもりて山の酒 三好達治
ゆく年や狐のかけしよだれかけ 久保田万太郎
年行くや水にあらがふ杭一つ 岩岡中正
行く年の後ろに就いて行きにけり 相生垣瓜人
行く年の行きどまりなり袋町 正岡子規
ゆく年を橋すたすたと渡りけり 鈴木真砂女
ゆく年の湯舟に眠くいのちって何 池田澄子
ゆく年のゆくさきのあるごとくゆく 鷹羽狩行
船のやうに年逝く人をこぼしつつ 矢島渚男
行く年や猫うづくまる膝の上 夏目漱石
行年や仏の花に残る菊 小沢碧童
行く年や葱青々とうら畠 室生犀星
行く年の木に残りたる栗のいが 澤木欣一

◎未練句/補遺

なし

以上です