開発素句報 2019-10
赤い夕日
◎葉書俳句
◎テキスト
豊年やカラメルソース焦げそむる ハードエッジ
柿の木がこの柿食へと枝垂れけり ハードエッジ
ラジオの「お便り」コーナーで、そんな話を聞きました
銀座から浅草へゆく秋の暮 ハードエッジ
秋深く赤い夕日を滲ませて ハードエッジ
推敲:沈ませて→沈みゆく→(再び)沈ませて→滲ませて
湯煙の夜空に消ゆる紅葉かな ハードエッジ
夜空では紅葉が見えないんじゃないかとの懸念がありますが、
実際は見えてないけれども、心に見えている、
というのが俳句業界のお約束です
先行句:
湯煙の紅葉になびき消えてゆく 上村占魚
湯煙のその後は、
湯煙の夜空に消えて朝の霜 ハードエッジ
湯煙秀句:
湯煙のまつはりやまぬ氷柱かな 清崎敏郎
ゆけむりの二階の窓に日向ぼこ 倉田紘文
自作追加:
湯の町は湯煙の町初紅葉 ハードエッジ
秋の夜の細部に宿り給ふもの ハードエッジ
God is in the detail
俳句のためのフレーズにも聞こえます
少しづつ天気良き日の冬支度 ハードエッジ
「天気良き日の」か「天気良き間の」か迷う
「少しづつ」秀句:
残雪に朝朝雪の少しづつ 高野素十
少しづつ暮れてくれきる桃の花 岩淵喜代子
「くれきる」がスゴイ
少しづつ動くばつたや石の上 岩田由美
ひだまりや枯萩すこしづつ粉に 大塚凱
「粉に」が非情
少しづつくすんでゐたる冬紅葉 杉原祐之
自作追加:
少しづつ書いてつらつら氷柱の夜 ハードエッジ
◎推敲過程
開発素句報2019-10
以上です