ペアリング52 村々のその寺々の秋の暮 鷹羽狩行

追記:三味線草/2019.10.3

ペアリング52

省力化で句と作者の間隔を空白2文字から1文字にしてみました

◎出立

春寒や砂より出でし松の幹 高濱虚子たかはま きょし

落葉より立ち上りたる大樹かな 稲畑汀子いなはた ていこ

 

 

◎歯に当てて

歯に当ててぱりりと音や桜餅さくらもち ハードエッジ

歯に当てゝいよいよ青き実梅みうめかな 野村喜舟    きしゅう

歯にあてて雪の香ふかき林檎りんごかな 渡辺水巴   すいは

 

 

◎雪と白

雪汚すもの白梅の落花かな 深川正一郎

雪の上に落ちてまぎれず白椿しろつばき 吉川一竿    いっかん

雪に咲く白き椿の金のしべ ハードエッジ

 

 

◎地球の影

月に置く地球の影や冴返さえかえる 三島広志

月涼し地球の影をうつしては 内田美紗

月面に地球の影や鹿しかの声 加藤静夫

三味線草しゃみせんぐさ地球も長き影くや 河原枇杷男かわはら びわお

 

 

◎それが

春の暮老人とふそれが父 能村研三

空稲架からはざに老人が立つそれが兄 大牧広

 

 

◎大樹の動静

さえずりをこぼさじと抱く大樹かな 星野立子

薄紅葉うすもみじして静かなる大樹かな 高濱虚子

木の実降る幹静かなる大樹かな 高橋淡路女   あわじじょ

 

 

◎船に手を振る

遠くの船につい手を振って青水無月あおみなづき 池田澄子

遊船ゆうせんの人に手を振り答へ見る 星野立子

 

 

◎収まる影

日盛ひざかり椰子やしにをさまる椰子の影 福永耕二

石の影石にをさまる秋の暮 矢島渚男    なぎさお

我が影の我に収まるきりぎりす 加藤楸邨     しゅうそん

 

 

◎人魂

人魂ひとだまで行く気散きさんじや夏の原 葛飾北斎かつしか ほくさい

人魂も涼みに来れ蚊遣香かやりこう ハードエッジ

 

 

◎寺々

村々のその寺々の秋の暮 鷹羽狩行たかは しゅぎょう

寺寺にいますみほとけ柿日和かきびより 橋本鶏二   けいじ

 

以上です