開発素句報 2019-04 くたりと
◎葉書俳句
◎テキスト
而してシャンプーの香も更衣 ハードエッジ
番付で言へば大関豆御飯 ハードエッジ
傘さして雨の茅の輪を潜りけり ハードエッジ
夕刊がくたりと梅雨の玄関に ハードエッジ
梅雨晴や洗ひ晒しのシャツと雲 ハードエッジ
虹も出てとても綺麗な雨あがり ハードエッジ
たまたま、NHK「ひるのいこい」から流れてきた
天地真理『虹をわたって』/UT
いつまでも夏至の日暮のうすあかり ハードエッジ
参考句:
夏至の日の手足明るく目覚めけり 岡本眸
水べりのやうな日暮を夏至といふ 岡本眸
後者を偶然、twitterで見かけた/岡田一実氏
水べりのやうな日暮を夏至といふ 岡本眸
夏至のらしさを一番感じるのは昼夜の境の日暮かもしれない。他の季節では夜と言っていいほどの時間に日差しがまだある。静かで不思議な時間を〈水べり〉と喩することで、ひたひたと迫ってくる水の質感までも想起させる。その日暮こそが夏至の本質という詩情。
— 岡田 一実『記憶における沼とその他の在処』出来! (@o_kazumi13) June 21, 2019
「夏至のらしさを一番感じるのは昼夜の境の日暮かもしれない。」!
岡本句+岡田解説で、
「夏至の日暮」がピンときた
初案:
広々と夏至の日暮でありにけり
最近は夕方、Co-opカフェで作句することが多く、
眼の前が駐輪場&駐車場への通路で視界が広い
「広々」は実感
が、「ありにけり」がどうか?
ぼんやりした対象に切字では不釣り合いか?
改案:
広々と夏至の日暮の薄明り
この「薄明り」は、
たまたま、ネットで万太郎の句を見かけたため
湯豆腐やいのちのはてのうすあかり 久保田万太郎
「薄明り」はいいとして、
「広々」とは微妙にすれ違う
改案:
広々と夏至の日暮といふ時間
空間と時間の合体だ!
改案:
広々と夏至の日暮の西東
やはり、冒険せずに空間描写へ
なんやかやで、結局、穏当な最終案へ
私としては珍しく、平仮名多用
◎推敲(データベース)
開発素句報2019-04 推敲
◎推敲(葉書書き込み)
開発素句報 2019-04
◎葉書画像
以上です